検索意図よりも自分の書きたいことを書いた方がブログは面白いと思っている鈴木です。
最初から身も蓋もない書き出しでごめんなさい。
最近、検索意図で記事を書こう!という記事を見る機会が非常に増えています。Twitterでも1日2件くらいはTL上に現れている感じがします。
検索意図で記事を書こうというのは正しくもあり、正しくもないことがあって、ブログ初心者だと悩んでしまうことも多いと思うので、クエリ(キーワード)によって、実は全く違うんだよってことを説明していきます。
とその前にクエリとキーワードの違いについて簡単に説明するとまあ、一緒で構わないです。
一部サイトでは
- クエリ=検索ユーザー側が使う場合のもの(語句やフレーズ)
- キーワード=広告主側が使う場合のもの(語句やフレーズ)
と説明していますが、それほど気にしなくても構いません。
僕の場合、クエリというのはキーワードよりも入力しやすい(タイピングしやすい)のと、なんかクエリって書いた方が専門家っぽくて格好良いからですww
僕の書籍を購入してくれた方なら分かりますが、書籍にはキーワードという言葉で統一しており、これは初心者向きに書いた本なので、クエリというキーワードほどは一般的では無い言葉を使わないようにしたからです。
検索意図の例
SEO関係のセミナーに行くと「結婚式 服装」で検索した場合の検索意図は?という話を聞かれた人もいるでしょう。
このキーワードで検索する人は、ウェディングドレスのことを調べたいのではなく、結婚式に呼ばれたから結婚式に着ていく服装はどういうものが良いのだろう?という検索意図で検索しているという事例として説明されています。
実際に検索してみても新郎新婦が着るタキシードやウェディングドレスの記事は検索結果上位には出て来ません。
移住というクエリ
僕は2017年に札幌に移住してきましたが、この時に移住の意味を調べると
他の土地に移り住むこと。
とデジタル大辞泉では説明されています。
一方、引っ越しの意味を調べると
引っ越すこと。転居。移転。
となっており、移住と意味的には同じです。
でも「引っ越し」と「移住」では全く検索結果は異なり、検索意図も違うことが分かります。
- 引っ越し=受動的な意味合いで使われている・自分の意思では無い
- 移住=能動的な意味合いで使われている・自分の意思である
こんな違いが検索結果から読み取れると思います。
確かに会社の辞令で住む土地を変わる時に「移住する」という人は少なく「引っ越す」という人が多いのに対して、例えば北海道が好きだから北海道に住みたい!で引っ越した場合は「移住した」という人が多くなっています。
Googleの欠点は検索ボリュームが少ないと検索意図を読み取れない(読み取らない)こと
で、本題に入ります。
SEOにおいて今は検索意図は非常に大切なのですが、反面、検索ボリュームが少ないクエリだとGoogle側が検索意図を理解出来ない事例があります。
というのもGoogleはAIによって検索意図を判断していますが、AIは元々データが少ない状態や無い状態だと使い物にならないということは、AIを学んだ人ならよく分かっていると思いますし、学んでない人でも、根本となるデータが無ければただの機械に過ぎないということは分かりますよね。
膨大なデータから検証してパターンを解析して、最適な解を導き出すことが出来るAIですが、元となるデータが無ければパターンそのものを解析出来ません。
僕が運営している札幌の観光情報サイト「サポカン」のこの記事
2018年11月15日現在Googleの検索順位は下記の通りです。
- 札幌 移住 =30位
- 札幌 移住 おすすめ=9位
- 北海道 移住 おすすめ=22位
となっています。
上記の記事を読んでもらえればわかりますが、移住者の視点で見た札幌のおすすめ観光スポットを紹介しているのであり、移住というキーワードは全くもって検索意図には関係無いものですが、「札幌 移住 おすすめ」で1ページ目に出てしまうんですよ。
正直、自分で検索結果を見ても10位や11位の記事の方が検索意図に適しており、検索意図全く見てないな・・・と思います。
でも、なぜ検索意図を無視した結果が上位表示されてしまうことがあるのか?
理由は2つです。
- 検索ボリュームが少なくてAIが正しく判断出来ない
- 被リンクやサイテーション効果、ドメインパワーが強いサイトの記事が上がりやすい
Googleでは日々新しいクエリで何万と検索されるそうです。
言葉というのは日々、生まれてくるものですから当然と言えば当然です。
ハズキルーペなんて言葉は数年前には無かった言葉です。
商品名でもサービス名でも次から次へと新しいものが生まれてきます。
人の名前も同じです。新しい芸能人も次から次へとテレビに出てきます。
Googleは新しいクエリをきちんと解析するためにどういうことを行っているかと言えば、今はSNSを重要視して見ていると僕は考えています。
新しいものって、SNSでどんどんシェアされて拡散されていくじゃないですか。
狸小路に新しいコメダ珈琲が出来る!なんて、最近札幌住民のTwitter界隈ではよく見かけます。
だからTwitter等のSNSで新しく出てきたクエリを解析して(検索されることが増えてきたら、SNSを解析するのかもしれませんが)、適切な検索結果を導きだしていこうとしていると考えます。
だからサイテーションも最近はSEOで重要な要素とされている部分もあると僕は考えます。
(サイテーションについてはここでは割愛します。サイテーションについて詳しく知りたい方は僕のnoteを購入してくださいww)
だけど、SNS上にもあまり出てこないクエリや実際に検索されることがほとんど無いクエリだと、そもそもAIが解析出来ないこともありますし、滅多に検索されないものにGoogleのAI等のコンピューターによる解析のリソースを割く意味が無いんです。
Googleも営利企業なので、儲からないクエリや検索規模が少ないクエリにリソースを割くことなんてしないと思います。
それよりも今、重要と言われているYMYL領域や、出稿が多いキーワード(つまり儲かるキーワード)、検索規模が大きいクエリで、リソースを出来るだけ割くようにするというのは想像に容易いことだと思います。
そして判断がつかないものは、とりあえずドメインパワーの大きなサイト・EATのしっかりしたサイトを1位にしておけ!という傾向がGoogleの検索では最近よく見られるようになっています。
関係ない検索規模が大きいものを1位にすることもある
札幌市南区に物凄く小さい「駒岡神社」という名前の神社があります。
ネット上には今までコンテンツとして紹介しているサイトも記事も無かった神社です。
たまたまチェックしているブログで「札幌の神社一覧」という記事のコメントに「南区に駒岡神社があります。」と書かれていて、いろいろ調べて実際に現地に行って僕がはじめてネット上ではコンテンツとして作りました。
今まで無かったコンテンツですから「駒岡神社」で検索すると1位になると思うかもしれませんが結果は違いました。
1位は「駒岡 神社」と2つの形態素に分離しても関係ない「師岡神社」となっていたんです。
2位から4位は「駒岡◯◯神社」で形態素に分離して関係ある神社が来ていますが、完全一致している「駒岡神社」は5~7位です。
「駒岡◯◯神社」が上位に来るのは検索ボリュームが大きいので致し方ないのですが、関係ない「師岡神社」が来るのはどうかと思うのですが、元々「駒岡神社」で検索する人は皆無に近く「師岡神社」の氏子はそのエリアの「駒岡エリア」が含まれているので、圧倒的に検索規模が大きい師岡神社」を1位にしています。
面白いですよね、クエリの一致よりも検索規模が大きいものを1位にしてしまうなんて(僕にしてみれば全くもって面白く無い)。
例えばGoogleにログイン状態で、シークレットモードにせずにスマホで札幌市南区で「駒岡神社」で検索しても、検索結果1位には駒岡神社の記事は出てきませんでした。
お前の記事が内容が無さすぎて上位にさせないだけだろ!と思うかもしれませんが、
同じサイトで、下記の順位がついています。
- 開拓神社=2位
- 穂多木神社=2位もしくは1位
- 札幌護国神社=4位
- 星置神社=1位
- 平岸天満宮=2位
- 白石神社=3位
札幌の人なら分かってくれると思いますが、開拓神社とか白石神社、札幌護国神社というような有名な神社でもそこそこ上位表示は出来る記事は書いています。
というより、検索ボリュームがある程度あるものの方が上位表示がしやすくなっています。
だって、検索意図が明確になっていて記事が書きやすい ですしGoogleも判断しやすい(してくれやすい)のですから。
このことから、検索ボリュームが無いものって、Googleにとっては価値が無いものと見做されているんだなって最近感じています。
ドメインパワーでリライトされたら判断される?
先日、あるブログを見たらリライトしたらどれぐらいで反映されるか?という問いにドメインパワー次第って書かれていて
え????
ってなったのですが、上記で書いたことを考えてもらえば分かる通り、クエリ次第だと僕は考えます。
このブログよりもドメインパワーが強いはてなブログの「鈴木です。別館」の記事をこのブログに移転させていて、リダイレクトをかけていますが、1ヶ月以上経過しても「鈴木です。別館」の元記事が検索結果に表示されています。
そして検索ボリュームが大きいクエリの記事ほど早くこのブログの記事が検索結果に出てきています。
ドメインパワーでリライトしたら早く反映されるって、どういう根拠かな?と考えたのですが、Googleのクローラーが来る回数のことを言っているんだろうなって想像しました。
クローラーが来たら、そりゃ早くインデックスされなおしますけど、肝心のリライトした記事にクローラーが来ているかきちんとチェックしてみないと分かりませんよ。
むしろクローラーが来る記事ってやっぱり検索ボリュームが多いクエリの記事や検索ボリュームが大きい記事から内部リンクを張った記事で、検索ボリュームが少ないクエリの記事はそもそもクローラーがあまり来ていません。
Googleのアルゴリズムのロールアウトやクローラーの巡回優先範囲って僕の観測範囲だとクエリ及びクエリ群次第なんですよ。
例えばお金や健康に関するクエリはロールアウトも早いですし、クローラーの頻度も高くなる傾向にあります。
逆にアダルト系なんてロールアウト、めっちゃ遅いですから。
だって、Googleへの広告出稿が難しいジャンルでGoogleにとって儲かりにくいのでアルゴリズムの展開も後回しですよ(最近は少しずつアダルトにも力を入れているようですが)。
もちろんドメインパワーが強いサイトは検索上位に来ることも多いので、SNS等で拡散される回数も多く、評価替えが起こりやすい傾向にありますけど、クエリでの評価替えの方が最近だと大きいですよね。
だからなまずだってカテゴリー(クエリ群)ごとで変動見ているでしょううから。
それでも自分の書きたいものを書き続けたい
まあGoogleがどう判断しようと、僕は自分の書きたいものを自分が好きなサイトでは書き続けたいと思いますし、それが本来のネットの価値だと思うんですよ。
今までネット上のコンテンツとして無かったものをネット上のコンテンツとして生み出すのって、結構快感です。
まとめサイトやキュレーションサイトって、数ある記事をまとめて新たな価値を見出すって言いますけど、結局は新たな価値って生まれてないことが多いと思うんですね。
たまにまとめることで新たな発見は生まれることはありますけど、それはあくまでも書いている人の意識の問題であって、ただまとめることだけで利益を得ようとしている人の記事からは何も新たな価値は出てこないと思います。
それよりは、ネット上に無いものを新たなコンテンツで生み出す方が面白いですし、それこそ集合知になっていくと思います。
Googleも、もう少し検索ボリュームとかドメインパワーに頼らず、オリジナルのコンテンツを評価しても良いんじゃないですかね?
昔のGoogleの検索結果の方が面白いものを見つけられたと思います。
今のGoogleの検索って金太郎飴で全くもって面白く無いんですよ。
検索してワクワクするような発見がどんどん無くなっていて、昔はもっとワクワクする発見があったんですけどね、悲しいことです。
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