強調スニペットは非常に便利なGoogle検索の機能ですが、強調スニペットとして表示されるとクリック率はよくなるのか?と疑問に思い調べてみました。ついでに検索順位によるクリック率も調べてみました。
なお検証例が少ないので実際には異なるかもしれませんが何かしらのヒントにはなると思います。
強調スニペットとは
Googleで検索する場合、ほとんどの人は知りたいこと、調べたいことがあるので行います。強調スニペットとは、検索結果上位の記事の中から最適だとGoogleが判断したコンテンツから抜粋で知りたいであろう情報を一番上に掲載するものです。
上の画像を見てもらうと分かりますが「ベストレート保証とは」と検索した場合に表示される強調スニペットです。
「◯◯とは」で検索するとかなりの確率で強調スニペットが表示されます。
また強調スニペット内では検索したキーワードを太文字にして、概ね答えを書いてくれています。また画像も掲載することが多いようです。そして一番最後にコンテンツのタイトルとそのコンテンツへのリンクが張られています。
ただ最近は、抜粋したサイトへのリンクを行わない事例もあって問題になっています。
強調スニペットで表示されるとクリック率は上がるのか?
強調スニペットで表示されると一番最初に表示されます(広告が先に出るので広告を除いて)。だから実質的な検索結果1位となる訳なのでクリック率は上がりそうと思うかもしれません。
でも、そこで答えを見て満足してしまう検索ユーザーもいると思います。だから実際にはそこで満足してクリックしてくれなくなるのでは?と予想してみました。
例えば「幸甚とは」と検索してみてください。幸甚という意味を知らないから検索すると思うので幸甚という意味が分かれば良いだけで強調スニペットで満足してしまう人も多いのではないでしょうか?
だから実際に強調スニペットで表示されるとクリック率は上がるのではなく下るのではないか?と思う訳です。
で検索して強調スニペットとして表示されるとクリック率は上がるのか下がるのか調べてみたのですが、実例を出して紹介しているところが無いんですよ。
「強調スニペットで表示されるとクリック率は上がるのか?」で検索してみても、激増するとしか書いて無くて実際の数値を出してないんですよね。
だから自分で調べてみようと思った訳です。
幸いなことに僕が運営しているブログでいくつか強調スニペットとして利用されているコンテンツがあったので確認出来た訳です。ただし3例ほどしか無いので正直なところ、統計に必要な数には当然至ってないのであくまでも参考程度に見てもらえればと思います。
サーチコンソールにおける強調スニペットの順位
今回クリック率を調べるのに使ったものはサーチコンソールです。
強調スニペットで表示されるとサーチコンソール上は1位としてカウントされていました。実際の検索順位は2位以下でも。
強調スニペットは必ず検索結果1位のサイトが表示される訳では無いということは知っていましたし、実際に1位では無い僕のブログの記事が表示されています。でもサーチコンソール上では2位3位の記事でも1位となっています。
「温泉ソムリエとは」で表示される強調スニペットのクリック率
このブログの別館「鈴木です。別館」で温泉ソムリエのことを書いたのですが、「温泉ソムリエとは」で検索をかけるとその記事が強調スニペットとして現在使われています(2016年12月22日現在、現在はこのブログに記事は移設済み)
このブログのGoogle検索の順位別のクリック率は以下の通りです。
順位 | CTR | 集計した順位 |
---|---|---|
1位 | 29.84% | 1位~1.4位 |
2位 | 15.62% | 1.5位~2.4位 |
3位 | 15.64% | 2.5位~3.4位 |
4位 | 9.67% | 3.5位~4.4位 |
5位 | 8.63% | 4.5位~5.4位 |
6位 | 2.52% | 5.5位~6.4位 |
7位 | 3.34% | 6.5位~7.4位 |
8位 | 4.18% | 7.5位~8.4位 |
9位 | 3.62% | 8.5位~9.4位 |
10位 | 2.16% | 9.5位~10位 |
11位 | 2.52% | 11位 |
強調スニペットで表示されるキーワード「温泉ソムリエとは」のクリック率(CTR)は24.6%となっています。強調スニペットを除く実際の順位は5位です(GRC調べ)。
つまり強調スニペットを1位と見た場合、検索結果1位の29.8%よりも5%以上もクリック率が低いことが分かります。5位の8.6%と比べた場合は3倍近くCTRは良いことになります。
「ベストレートとは」で表示される強調スニペットのクリック率
「ベストレートとは」というキーワードにおいて、僕が別に運営している温泉専門のブログ「いい湯だね!温泉旅行Hack」というブログの記事が強調スニペットとして表示されています。
このブログのGoogle検索結果の順位別CTRは下記の通りです。
順位 | CTR | 集計した順位 |
---|---|---|
1位 | 36.41% | 1位~1.4位 |
2位 | 30.30% | 1.5位~2.4位 |
3位 | 16.25% | 2.5位~3.4位 |
4位 | 11.81% | 3.5位~4.4位 |
5位 | 9.60% | 4.5位~5.4位 |
6位 | 5.80% | 5.5位~6.4位 |
7位 | 4.80% | 6.5位~7.4位 |
8位 | 3.82% | 7.5位~8.4位 |
9位 | 2.38% | 8.5位~9.4位 |
10位 | 2.76% | 9.5位~10位 |
11位 | 2.95% | 11位 |
そして「ベストレートとは」のCTRは13.68%しかありません。強調スニペットを除く実際の順位は2位(GRC調べ)です。
つまり強調スニペットで表示されていることによって、クリック率(CTR)は激減しています。
これなら強調スニペットで表示されない方が良い状態です。
「MVNO 通話料」で表示される強調スニペットのクリック率
「MVNO 通話料」というキーワードにおいて、僕が別に運営している格安SIMのブログ「モバイルガジェット東京03」というブログの記事が強調スニペットとして表示されています。
このブログのGoogle検索結果の順位別CTRは下記の通りです。
順位 | CTR | 集計した順位 |
---|---|---|
1位 | 44.11% | 1位~1.4位 |
2位 | 28.88% | 1.5位~2.4位 |
3位 | 13.64% | 2.5位~3.4位 |
4位 | 8.36% | 3.5位~4.4位 |
5位 | 9.33% | 4.5位~5.4位 |
6位 | 5.95% | 5.5位~6.4位 |
7位 | 4.16% | 6.5位~7.4位 |
8位 | 2.77% | 7.5位~8.4位 |
9位 | 2.22% | 8.5位~9.4位 |
10位 | 2.92% | 9.5位~10位 |
11位 | 7.54% | 11位 |
そして「MVNO 通話料」のクリック率は27.8%となっており、強調スニペットを除く順位は3位(GRC調べ)となっています。
3位にしては良いのですが強調スニペットを実質1位と見た場合は、クリック率は平均よりも悪くなっています。
結論:強調スニペットはキーワードによってはクリック率を下げる
今回3つの例を出しましたが、結論として強調スニペットはキーワードによってクリック率を下げるということで結論とします。
もちろん3例だけであり確定ではありません。
でも、強調スニペットが検索結果において実質1位と見た場合、クリック率はサイト平均の検索結果1位のクリック率よりも下回ることがわかりました。もちろん3位以下の場合、強調スニペットとして表示してもらえればクリック率は上がりますが、実質1位としてはクリック率は下がるということです。
また検索キーワードにおいて人が知りたいものが強調スニペットで完結に分かるものほど実際にはクリックしなくなると思うので、強調スニペットは検索する人にとっては便利でもサイト管理人においてはあまり嬉しくないものになると思います。
実際、僕は読めない漢字や言葉を検索した場合、強調スニペットだけでを見て満足してクリックしないことは多数あります。
Googleさんにはサイト管理人の立場としては強調スニペットはやめて欲しいと思いますが、検索ユーザーとしては続けて欲しいという矛盾がここで生じてきます。
ゼロクリックサーチ問題
強調スニペットやナレッジグラフ、ローカルパックがGoogleの検索結果で多く表示されるようになり、検索してもどの検索結果もクリックせず、検索結果画面だけで満足するユーザーが増えてきました。
2019年になり、検索結果を見ただけで満足して検索結果のどこもクリックすることなく立ち去ってしまうことを「ゼロクリックサーチ」と言います。
このゼロクリックサーチの割合が50%を超えてきたという報道もありました。
これを好意的に見るメディアもあれば、否定的に見るメディアもあります。
Googleが言うには、半数になったとしても実際にサイトに来てくれている人がコンバージョン(購入や会員登録、サービスの申込み等)をする割合は増えたから影響はほぼ無いはずだと言っていますが、これはあくまでもECサイト等のサービスにおけることであって、AdSense等で収益を考えているブログやメディアにとっては痛手でしかありません。
またコンバージョンレート(割合)が仮に1.5倍になったとしても、PVが半分になっていたらどうかと言えば、
- 10000PVでコンバージョン数が100だった(CVR 1%)
- 5000PVでコンバージョン数は75だった(CVR 1.5%)
*CVR(コンバージョンレート:コンバージョンする割合)
PVが半分になってCVRが1.5倍になっても実際にはコンバージョン数は減少することになるので、嬉しい訳が無いんですよね。
Googleの詭弁にもまいったものです。
検索順位のクリック率が意外と面白い結果に
今回の内容と関係ありませんが、それぞれのブログのGoogle検索結果における順位のクリック率10位と11位を見てください。
10位までは基本的に検索結果の1ページ目、11位は検索結果の2ページ目となりますが、10位(1ページ目)よりも11位(2ページ目1位)の方がクリック率が良いんですよね。
でもこれは数字のマジックですから信じないように。
というのも10位と11位ではクリック率の分母となる表示回数が段違いに違うから。クリック数はそれぞれあまり変わらない結果だったのですが分母となる表示回数が段違いに違うので10位よりも11位の方がクリック率は良くなっています。
でもサイトによっては9位よりも10位の方がクリック率が高くなることもあるので、その場合は9位よりも10位の方が良いなと思ったりします。
こういうことを知ってサイト特性を知るのも面白いですよ。
以上「強調スニペットとして表示された場合のクリック率は上がるのか?下がるのか?」というお話でした。
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