見方というのを知らないのに間違ったことを書くのは出来るだけ避けたいと思う鈴木です。
ここ1ヶ月くらいの間でSimilarWebで他社(他者)のサイト分析をしているブログ記事を3つ見かけたのですが、どれもSimilarWebの見方を根本的に間違えていて驚きました。
中にはWebデザイナーと書いてるブログもあって今時Webデザイナーならアクセス解析の基本用語くらいは理解していると思ったらそうでも無いんだなと驚いたくらいです。
またSimilarWebの見方を間違えている人で、あるサイトの媒体資料のPVについて、SimilarWebで調べたらそんなにPV無いのに嘘をついている!と断定的に書いていて、ひどいな~と思った次第です。
しかし、相手を批判したりする場合にSimilarWebのデータを持ち出すのであれば、SimilarWebの見方くらいはきちんと学んでから書くべきだと思いますので簡単にSimilarWebの見方を説明していきます。
SimiarWebの数値はセッション数
SimilarWebの見方を間違えている方はTotal Visitsをページビューだと勘違いしています。
上記の図だと①のところで21Kで、Kは1000だから21000PVだと判断している人がいますが、これはTotal Visitsと書かれているので別にページビュー(PV)だなんて書いていませんよね。
VisitsとはGoogle Analyticsで言えばセッションのことです。
②の「Pages per Visits」はGoogle Analyticsで言うところの「ページ/セッション」です。
上記の図は左側がSimilarWeb、右がGoogle Analyticsです。
- Total Visitsはセッション
- Avg. Visit Durationは平均セッション時間
- Page per Visitsはページ/セッション
- Bounce Rateは直帰率
となります。
だから上記のSimilarWebで取得したサイトのPVは21000PVではなく
21000×「Page per Visits(1.26)」=26460PV
ということになります。
あるブログであるメディアのTotal Visitsが980Kでメディアの媒体資料では290万PVとなっていて約3分の1しかPVとが無いのに嘘をついている!と責めていました。
でもそのメディアのPage per Visitsを見ると2.65なので
980K×2.65=約260万PV
となっており媒体資料の290万PVとあまり変わらない数値になっていて別に嘘でも何でも無いんじゃない?と思いました。
こうやってSimilarWebの見方を間違えて不当に相手を貶める演出は例えキュレーションメディアを批判する場合でも行ってはいけないことではないでしょうか?
なおSimilarWebとGoogle Analyticsで例に出しているサイトは同じサイトです。
SimilarWeb=約26000PV
Google Analytics=約17000PV
SimilarWebの数値は最大で10倍くらいはズレる
そもそもSimilarWebの数値はズレるものです。PVで言えば最大10倍くらいはズレるようです。
SimilarWebでどうすればズレが大きくなるか過去に何度かいろいろなサイトで試していて、どういうことを行えばズレるか分かっていて3倍までは簡単にずらせることは出来るのは分かっていました。
しかし、それ以上のズレを実現させるためにはある条件が必要になっていてその条件が整うまでテストが出来なかったのですが、ここ最近ようやくその条件が揃ったので試してみたんですね。
その結果、9倍までPVを大きく見せることが出来ました。
上記は同じサイトのとある月のSimilarWebとGoogle Analyticsの結果です。
実際のPVでは9000PVほどしか無いのにSmilarWebで見ると約78000PVで約8.7倍ものPVとなっています。
ただしPVが増えるにつれてこの差は小さくなるようです。
なお、この方法を使って試した別のサイトでは面白い結果になっています。
上がGoogle Analytics、下がSimilarWebで同じサイトです。
6月から10月まで毎月14000PV程度と超安定のPV数です。このサイトは2015年12月以来更新していません。
でもSimilarWebでズレを大きくする外部施策を行った9月10月は見事にSimilarWeb上でPVを大きく見せることに成功しました。
つまりSimilarWebのPV数を大きくズレさせるのは外部施策で出来るんです。
上記のサイトはどのサイトかと言えばこのサイトです。
でもSimilartWebの数値が大きくズレるからと言ってSimilarWebが使えない訳ではありません。
SimilarWebは傾向を見る上では参考になるツール
SimilarWebの数値は上記で書いた通り、ズレます。でもズレる要因は大体わかっているのでその要因を排除した上で計算すると概ね正しい数値を出すことが最近だと出来るようになりました。
正解率は前後20%のズレはあるものの自分の所有しているサイトやアクセス解析のデータを見せてもらえるサイトの数値と比較すると概ね7割はあっている状況。
だからズレる要素を排除して競合他社のPV数等を調べるのであればある程度参考になるツールなんですね。
でも根本的な見方を間違えていたら意味が無いですから、まずはSimilarWebの見方を覚えましょう。
SimilarWebの数値は精度を増している
これを書いたのはもう2年ほど前ですが、SimilarWebの精度は向上しています。
というよりもGoogle検索のアルゴリズムがSimilarWebで計測していたものの比重を大きくしたからだと言えます。
それは何か?
SimilarWebはSNSの拡散性やサイテーションをPVやセッションの推測に使用していたからだと考えています。
Googleは2017年くらいから、サイテーションというSNSでの拡散性・リンクなき言及を検索のアルゴリズムに取り入れてきていると言われています。
一足早く、SimilarWebはこのサイテーション効果を取り入れていたため、数値の隔たりがかなりあったように思いますが、Googleがアルゴリズムに多く取り入れたことで、数値の隔たりが減ってきたように感じています。
なお2019年の春くらいから、個人のブログやサイトだと無料版ではデータそのものが、SimilarWebで取れなくなってきました。
最近だとUbersuggestというサイトを使う人が増えてきています。
PV数こそはわかりませんが、どんなキーワードで集客しているか、ある程度わかるツールになっているので、競合サイトを調べる時には便利です。
以上、SimilarWebの使い方・見方についてでした。
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