友人の敷田さんが2冊目の本を出したということで、早速購入はしたもののサイト作り期間は読まない!と決めていたのですがサイト作りも一段落ついた(ように勝手に思っている)ので読んでみました。
読んだ感想は、ページ数や複数の著者との共著ということもあるためか、やや読みにくい部分もあったり、これを説明するならこっちも説明した方が・・・というところもありました。
でも、サイト改善のポイントが説明されており役立つ本になっています。
初心者向きというよりはある程度はWebの世界に関わってきた人が読むといろいろと視界を広げられる良書になっています。
正式な本のタイトルは「できるところからスタートする コンバージョンアップの手法99」と長いタイトルになっています。
できるところからスタートする コンバージョンアップの手法99 (できスタ Vol. 1)
コンバージョンアップの手法99で、あれ?なところ
「コンバージョンアップの手法99」を読んであれ?と思ったところを先に紹介します。
16「ステップごとの目標を設定する」
マイクロコンバージョンについて触れられているのですが、もう少し細かく説明をしておいた方が良いのでは?と思いました。
というか以前からある定義と少し異なっていたのであれ?と思ったところです。
サイトでのコンバージョンは3種類あるとAdobe Digital Marketingのプロダクトエバンジェリスト兼シニアコンサルタントの安西敬介氏が7年くらい前から述べています。
- マイクロコンバージョン
- ステップコンバージョン
- ファイナルコンバージョン
「コンバージョンアップの手法99」においてマイクロコンバージョンはステップコンバージョンの意味で使われています。
もちろん、安西氏の考え方であり絶対ではありませんが、サイト巡回を意識するのであれば、ステップコンバージョンとマイクロコンバージョンはきちんと考えたサイト設計にすべきですし、そのためには「ハイレベルサイトマップ」を作成することが必要です。
このセッションはもう少し深掘りして欲しかったと思いました。
52「ユーザーの心理や行動を設計してみよう」~
ユーザーシナリオを作ることを推奨しているのですが、ユーザーシナリオならカスタマージャーニーマップについて触れておいた方が良いんじゃない?と思って読み勧めていたら、54「ペルソナをうまく使うためのポイント」でカスタマージャーニーマップについて触れられていました。
そして53「ペルソナを作ってみる」と書かれており、少し順番がおかしいのでは?と思った次第です。
ユーザーシナリオって難しいんですよ。だから最初にカスタマージャーニーマップをブレインストーミングを行いながら作って、そこからユーザーシナリオを作った方が個人的には良いと思っているので、初心者の人にとってこの構成は少し難しいんじゃないかな?と感じた訳です。些細なことですが。
77「ファンとの間に長期的な関係を築く」
書かれていることはとても大切な内容です。
ですが、CRMツールやMAツールについて簡単に触れられているのですが、CRMツールやMAツールってかなり価格は下がってきたものの、大企業で無い限り導入することってかなり難しいんですよ。年商数億円レベルの中小企業だとまだ無理だと思うんですね。
想定読者は、大企業なのか中小企業なのか個人経営者なのか、少し戸惑いました。
コンバージョンアップの手法99で、良かったところ
コンバージョンアップの手法99を読んで良かったところももちろんあります。
30「有料広告を出せばコンバージョンは上がる?」
最初に見出しをチェックして読むのが僕の技術書や解説書の読み方ですが「手段を目的にしない」って敷田さんがよく言うことだな~って思ったら敷田さんのパートでした。
で、内容ですが、そうそうと思うところが多く、確かに「広告」を出しても必ずしもコンバージョンは上がらないんですよ。
今は様々な広告があります。
広告の種類の中では「周知」もしくは「認知」を目的としているものもあり、これを理解せずに展開する人って本当に多いんですよ。
インフルエンサーマーケティングなんてまさにその代表です。
特定分野のインフルエンサーに依頼をすれば「集客」に繋がりますが、ただフォロワー数やファンが多いからと分野関係なくインフルエンサーに広告を依頼して思ったよりも売れなかったとつぶやく企業の人たちは後を立ちません。
特定分野以外のインフルエンサーの持つ影響力というのは「周知」「認知」に使うべきであって、集客に使うべきでは無いというのが僕の考えです。
「認知」「周知」をしても売れなければ意味が無いと思うかもしれませんが、それはネットの世界、リタゲもあります、そこから接触頻度を増やしていくことはネットの世界では可能です。
「認知」「周知」を行った後は、如何に接触頻度を増やすのか考えるのがマーケッターの腕の見せ所なのではないでしょうか?
37「Web以外のメディアに目を向ける」
よくある話ですが、Webコンサルタントに仕事を依頼したらWeb施策ばかり提案する人っているんですよ。
そういうコンサルタントは要注意です。
実際には中小企業を中心にWeb施策ではなくいわゆるテレビや新聞、雑誌等の昔からのメディアに広告を出した方が良い場合もまだまだ数多くあります。
このセッションではWebメディア以外にも目を向けることをきちんと説明していて、そうだよね~っと首を縦に振りながら読んでいました。
77「ファンとの間に長期的な関係を築く」
あれ?と思った項目にも書きましたが、このセッションの前半「ライフタイムバリューを意識する」のところは参考になります。
このライフタイムバリューの考え方ってECサイトでは非常に重要なんですよ。
ECサイトだけではなく最近ではブログやサイト全般でも重要な指標だと思います。
Google Analyticsにもコホート分析がベータ版のままかなりの日数経過しましたが、ライフタイムバリューについてきちんとコホート分析をして導き出すことも大切です。
何よりコホート分析は手間はかかりますけど、Google Analyticsや他のデータから導き出せるので金銭的にはかけなくても出来るもので、費用対効果の高い分析です。
コンバージョンアップの手法99は、良書
いろいろと書いてきましたが、全体的にECサイトやオウンドメディアを運営されている方が困った時に読むのにおすすめ出来る良書です。
サイトの改善ポイントが見えてきますし、いろいろと勉強になるように説明されています。
ECサイトやオウンドメディアを運営していたり携わっている方は是非読まれてみてはいかがでしょうか?
できるところからスタートする コンバージョンアップの手法99 (できスタ Vol. 1)
でも、ECサイトに関わっている人なら下記の本がおすすめですよ。
おあとがよろしいようで。
第2段も出ます
この「コンバージョンアップの手法99」の第2段となる書籍が11月20日に出ます。
敷田さんに加え、SEOに関してはかなりいろいろなことを教えてくれた岡崎さんも加わり、これは物凄く期待が持てる内容になっているのではないかと思います。
岡崎さんはかなり実践的なSEOに関して凄く知識を持たれている方です。
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