全国700ヶ所ほどの温泉に入った温泉ソムリエの鈴木です。
秋田県の乳頭温泉郷、いろいろと話には聞いていて度は泊まりたいと考えているのではないでしょうか?
全国的にも人気の高い温泉郷です。その中でもっとも人気があるのが鶴の湯です。
決して高級な温泉宿でもありませんし、露天風呂付き客室もありません。
しかし、ここ以上に温泉情緒を味わえる温泉宿を僕は知りません。
また、一人でも予約が出来る温泉宿です。温泉とその情緒を楽しむのには最高の温泉宿です。
鶴の湯はすべての季節に行きたい温泉宿の情景
鶴の湯はすべての季節に行きたくなる温泉です。
温泉宿の入り口は季節によってまったく異なる雰囲気となりますが、どの季節でも秘湯を感じられる佇まいを見せてくれます。
真冬の鶴の湯の入り口。雪が積もり静けさを感じさせてくれます。
晩秋の鶴の湯、この季節になると時折雪も降る事があります。
夏の鶴の湯、草木が緑に色づき、懐かしい日本の光景を見せてくれます。
でも一番良い季節はやはり冬でしょう。
冬の鶴の湯の夜は幻想的な風景も見せてくれます。雪かきをして高くなった雪の山に穴をあけてロウソクを入れて火を灯すだけですが、これがまた綺麗な光景で寒い冬でも魅入ってしまいます。
雪のない季節も良いのですが、やはり雪があった方が情緒がありますね。
鶴の湯の敷地の光景
冬になると凍み餅を作るために軒下に吊るされた光景を見る事もあります。田舎に来た、そんな感じを抱かせてくれます。
茅葺屋根の建物や浴場のたてものが点在しており、昔ながらの雰囲気が味わえる場所です。
宿の敷地の中に川が流れていて、川の音が露天風呂で聞こえて心地良くなります。
記念に写真を何度も撮りたくなる宿です。
夜は日帰り入浴の人もいなくなり静かな時間となります。
深夜2時頃の鶴の湯、ほとんどの人が寝静まった時刻は静寂に包まれています。
この時間に入る露天風呂は最高です。
鶴の湯の茅場と休憩所
ここはやはりフロントと言わずに、茅場と言いたい雰囲気です。
最初にここで受付を行い部屋へと向かいます。
共通の施設として休憩所もあります。
薪ストーブは昔ながらの雰囲気を更に与えてくれますね。
1人なら安い二号館三号館で十分、6畳一間の部屋に泊まる
鶴の湯には6つの種類の宿泊棟があります。
- 本陣:昔ながらの部屋
- 新本陣:人気の部屋
- 東本陣:人気の部屋
- 一号館:やや人気
- 二号館:1人や2人用の部屋
- 三号館:1人や2人用の部屋
となっています。一番高い部屋は新本陣と東本陣となっていますが、それでも1人あたり13000円から20000円くらいです。
次に高いのは一号館で13000円くらい。そして一番人気なのが本陣で1人12500円くらい
安いのは二号館と三号館で1人10000円くらいとなっています(すべて税抜きのおおよその金額)。
鶴の湯の良いところは1人でも2人以上でも基本的には同じ料金で泊まれる事です。
1人で泊まるのであれば2号館3号館の安い部屋でも十分です。
古いけどきちんと掃除がされた2号館・3号館の廊下
2号館・3号館の部屋です。
簡素な机に質素な部屋ですが、温泉を純粋に楽しむためなら逆に良いかもしれません。
テレビも無いので静かな時間を過ごせます。
アメニティ関連は最低限のものしかありません。
鶴の湯 混浴の露天風呂へ
鶴の湯と言えばやはり有名なのは白濁したお湯にランプがかかった混浴の露天風呂でしょう。
なんとも癒される温泉です。
お湯の温度はぬるいところでは38~39度くらい、熱いところは42度くらいとなっており、同じ湯船でも場所によって温度が4度くらいは異なります。
夜はランプに灯され、これがまた温泉情緒を醸し出しています。
温泉情緒を楽しむのであればやはり夕方から夜ですが、早朝も気持ちが良い温泉です。
夏場の真昼の露天風呂も乙なものです。
しかし、一番は真夜中、ほとんど入浴に来る人がいなくなった深夜1時から2時くらいに1人で入る事が出来れば、本当にくつろげる最高の時間を味わえます。
なお、女性専用の露天風呂もあります。
鶴の湯は内湯も魅力的
鶴の湯は露天風呂が有名ですが内湯も情緒があります。
露天風呂に併設された内湯です。ここで露天風呂に入る前に身体を流していきます。この内湯以外にも男女合わせて9箇所もの内湯があります。
数多く内湯があるので内湯巡りをするのも楽しく感じられます。
なお、鶴の湯にはシャワーが無いと書かれているサイトがあるのですが、宿泊者専用の内湯ではシャワーもついているところがあります。
鶴の湯は素朴な食事、でも最高のご馳走
食事も決して豪華ではありません。
しかし素朴ながらも非常に美味しく最高のご馳走に感じられる事でしょう。2号館3号館に宿泊した場合は本陣の食事処でいただきます。
囲炉裏があり、そこで鶴の湯名物である「山の芋鍋」と川魚が温められています。
名物の山の芋鍋。この地域で穫れる山芋をすりおろししたものが入っています。これが非常に美味しく何度もお代わりをしました。
料理全体としては上記のような感じです。
イワナの塩焼き
煮物
ホイル焼き
山菜が並びます。
秋田名物のいぶりがっこ等の漬物も。
朝食も同じように本陣でいただきます。
豪華では無いけど、あたたかい美味しい料理です。
鶴の湯温泉に泊まってはいけない曜日・露天風呂の掃除日
鶴の湯温泉の混浴露天風呂は毎週月曜日(祝日の場合は最短の平日)に掃除のためお湯が完全に抜かれます。
朝7時~8時くらいには掃除が開始されるので、食後にもう1度露天風呂に入ろうと思ってもお湯が無いので入ることが出来ません。
食後にもう1度露天風呂に入りたいのであれば日曜日に宿泊(月曜日が祝日なら月曜日)をしない方がおすすめです。
ただし、せっかくだから掃除のシーンを見たいということであれば、わざと日曜日に宿泊して掃除風景を見るというのも面白いかもしれません。
鶴の湯の宿泊体験談・感想・口コミ
いろいろな温泉のランキングで何度も1位になった事があり、凄く人気の温泉宿で、特に本陣の予約は非常に取りづらい状況です。
それだけ全国からこの温泉に来る人が多いのですが、なぜそんなにも人気なのか、泊まればきっとその答えは解ると思います。
日帰り入浴のみで鶴の湯を利用した人の感想は正直、あまり良い評価ではありません。
ここ数年でよくはなってきましたが以前は観光客が押し寄せ、湯船に人がいても写真を撮りまくって去っていくという事もあり、今は露天風呂は撮影禁止になり落ち着いて入れるようになりました。
それでも見に来るだけの人もいて落ち着いて入る事が出来ないためにあまり良い評価が日帰り入浴では出ていないように思います。
しかし、宿泊して夜中や早朝に入ると、本当に落ち着いて入れる素晴らしい温泉だという事が解るでしょう。
決して豪華ではなく、料理も同じく豪華ではありません。しかしここにはここでしか味わえない最高に贅沢な時間を過ごせる場所があります。
是非、1度は鶴の湯へ宿泊をしてみてください。
また混浴の露天風呂がありますが女性でも非常に入りやすい温泉です。女性専用の入り口からすぐに露天風呂に入れますし、タオル巻きもOKです。
更に凄く白濁しているために入ってしまえばまったく見えません。初めての混浴ならここが良いのではないでしょうか?
口コミは意外と悪く書かれていることも
ただ口コミでは意外と悪く書かれていることもあります。
- シャワーが無い!(実際にはありますがわかりにくいです)
- 身体があらえない!(実際には洗えますがわかりにくいです)
- テレビが無い!
- アメニティが充実していない!
- 食事が質素すぎる
こういう口コミは度々見かけます。
でも、これ秘湯で重要なことですか?むしろよく調べないで秘湯に泊まりに来ている人が勘違いして書いているだけのように思いませんか?
テレビとかアメニティとか豪華な食事に期待をするのなら大型観光旅館で高い食事のコースにでも泊まれば良いんです。
そういう都会の喧騒を忘れてゆっくりと過ごせるのが乳頭温泉郷であり、鶴の湯なのですから。
鶴の湯温泉の基本情報とアクセス方法
- 施設名:鶴の湯温泉
- 住所:〒014-1204 秋田県仙北市田沢湖田沢字先達沢国有林50
- 電話番号:0187-46-2139
- 宿泊料金:1人8790円~(冬季は暖房費1部屋1080円が加算)
- お風呂:男女別内湯 混浴露天風呂 女性専用露天風呂
- 駐車場:あり(無料)
- 日帰り入浴:500円(当時)10:00~15:00(月曜日露天風呂不可)
- 休館日:不定休
- ph:6.1~(内湯や露天で泉質及びphが異なります)
- お湯の色:白濁
- 泉質:硫黄・ナトリウム・カルシウム・塩化物・炭酸水素塩泉 等 4つの源泉
- 公式サイト:乳頭温泉郷 鶴の湯温泉
鶴の湯温泉へのアクセス方法・行き方
鶴の湯温泉へは車が便利です。
秋田自動車道「共和インターチェンジ」から約70km、時間にして約90分です。
公共交通機関の場合、秋田新幹線こまちでJR田沢湖駅下車、駅前から定期バスに乗り「アルパこまくさ」で下車、そこから鶴の湯温泉の送迎バスに乗って向かいます。
鶴の湯温泉の予約について
鶴の湯温泉は非常に予約が取りにくい温泉宿です。それだけ人気ですから。
一般的には電話で予約することになります。たまに「るるぶ」でも予約出来ることがありますので、ネット予約をしたい方はるるぶで予約してください。
また朝日旅行でもツアーで予約出来る場合があります。
るるぶや朝日旅行のツアーなら日本秘湯を守る会のスタンプ帳にも押印してもらえます。
鶴の湯温泉、過去に数回宿泊していますが、何度も泊まりたくなる素晴らしい温泉宿です。
角館と合わせて行くのがおすすめです。
以上、乳頭温泉郷 鶴の湯についてでした。
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