温泉ソムリエで全国の温泉700ヶ所ほどに入浴している鈴木です。
鎌先温泉 時音の宿 湯主 一條に宿泊してきました。
一條には以前日帰り入浴をした「湯守 木村屋」さんからの露天風呂から見た「湯主 一條」の建物が非常に素晴らしく、一度は泊まってみたい!という思っていたことで、今回宿泊した次第です。
大正から昭和にかけて作られた木造の一部4階建ての建物が特徴的で、古くて情緒ある建物を堪能できる温泉宿に宿泊したい!という願いが叶います。
実際に宿泊したからわかる、湯主 一條さんの様子や食事の良さ、温泉の良さを実際に自分で撮影した写真を元にお伝えしていきます。
宮城県の鎌先温泉について
鎌先温泉は傷に良いと言われ、開湯が1428年と言われいます。湯主 一條はその当時から創業しているとのこと。鎌先温泉の中ではもっとも古い温泉宿です。
現在は5つの温泉宿があります。宿が密集して建てられているため宿の前にはほぼ駐車場はないため共同駐車場が用意されています。
ただ一條さんに関しては共同の駐車場だけではなく、単独で宿からは距離がありますが駐車場を持っており、駐車場から連絡をすれば宿までの送迎を行ってもらえます。
温泉街はこじんまりとしているものの雰囲気の良い場所です。
5つある温泉宿の中で木村屋さんとすずき屋旅館さんには日帰り入浴のみはしています。
木村屋さんの露天風呂から見えた一條さんの建物が凄く特徴的で、これはいつか泊まりにいこう!と思っていて9年以上かけてようやく泊まることが出来ました。
鎌先温泉 時音の宿 湯主 一條へのアクセス
車で行く場合は、東北自動車道 白石ICで降りて15分ほど。カーナビでセットしておけば問題なく到着出来ると思います。
公共交通機関で行く場合は、東北新幹線「白石蔵王駅」か東北本線「白石駅」で下車してタクシーか送迎バスとなります。送迎バスは時間の指定があるのでご注意ください。
車の場合は鎌先温泉街に入るまえに駐車場があります。
駐車場についたら一條さんに電話をすれば迎えに来てくれます。
上記が駐車場の写真ですが駐車場からは車で3分くらいで宿に到着します。歩いても10分かかりません。
今回、駐車場からの送迎で行きは普通のワンボックスカーでしたが帰りは何とレクサスで恐縮してしまいました(笑)
なお冬場はスタッドレスタイヤで無ければ危険なところです。
一條の歴史ある建物「本館」は個室料亭
木村屋の露天風呂から見えた一條さんの建物は今は料亭として使われています。
宿泊は出来ないとのこと。夕食や朝食は基本的にこの料亭でいただきます。個室になっているので落ち着いていただけます。
肝心の木村屋さんの露天風呂から見えた一條さんの建物がこちら。
そしてすずき屋旅館さんの露天風呂からみえたのがこちら。
この建物の全景を撮影したい場合は一條さんに泊まるよりも木村屋さんやすずきや旅館さんに泊まった方が見えますね(笑)
宿からだと全景は見難くなっています。
今回宿泊したプランでは個室料亭のある本館が見える部屋となっており、部屋からもこの一條さんの本館が見ることが出来ました。
昼間はこんな感じです。
雪が舞うとこんな感じに。
そして夜は幻想的に。
夜は外に出て撮影をしてきました。
やっぱり大正から昭和初期に建てられた木造建築って良いですよね。
国の登録有形文化財にしてもおかしくないと思う建物です。
→実際に2016年3月に木造本館2棟と土蔵が「国登録有形文化財」に指定されました
泊まった時には、宿の方に登録有形文化財にしてもらえないの?という質問をしたところ、そういう話は過去に何度もあったそうですがいろいろと大変なこともあり今のところしてもらう予定は無いとのことでしたが、やはり宣伝効果があるから行ったのかな?と。
本館以外の内部
宿泊やロビーは本館ではなく別館となります。増築を繰り返したのかやや迷子になりやすい建物となっていました。実際滅多に迷わない僕でも途中ロビーに辿りつけなくなったり。
宿の入り口は重厚な雰囲気。
靴を脱いで中に入るとモダンな感じと高級な感じのする空間となっています。
少し進むとロビーがあります。
僕がチェックインした時は混雑しており、もう1つ奥のバーに案内されました。
途中にお土産コーナーがあります。
落ち着いた和のオブジェ
ここで座りながらチェックインを行います。
おしぼりを頂いたあとに抹茶とウェルカムスイーツのずんだ餅をいただきました。宮城と言えばずんだ餅が有名ですからね。
そしてチェックインの準備をしている間に荷物は部屋に運んでくれました。
準備が終わると部屋まで案内してくれます。
館内は古いものの掃除は行き渡りまたエスコートの仕方も上手く高級という感じを受けました。
もちろん掃除も行き届いています。
宿泊した部屋はリピートの多い和室の10畳
今回宿泊した部屋はリピーターが多いという和室の10畳の部屋。部屋から本館が見えるということで選びました。
夕食の間に布団は敷いてもらえます。
テレビが小さいのもテレビを見るよりも温泉や雰囲気を楽しんで欲しいという思いからかな?と勝手に良い方向にとってしまいます。
窓側に座って国の登録有形文化財である本館をゆっくりと眺められるようになっていました。
お湯用の電気ポットと冷水用のポットが用意されているのが良いところ。
またグラス・湯のみも充実。
縁側?に洗面台がありこの洗面台がまた良い!銅で作られた洗面台。
うん!上島珈琲店のマグカップみたい(あれ?)
いや銅製のものって結構好きなんですよ。
アメニティもしっかりしています。お風呂に行く時用にメッシュ状のバッグが用意されています。
トイレ付きの部屋で当然ウォシュレットも。ただトイレットペーパーが1個しか無いのはちと怖いから予備を置いといてくれるといいな~と思いました。
そしてこの宿の良いところは部屋の鍵を2つ貸してもらえるところ。
2人で泊まった時に鍵が1つだとどちらかが部屋に早く戻らなきゃって思いますよね。
特に男女別の温泉に入りにいった時、どちらかが温泉から出てくるのを待つか、慌てて部屋に戻るのですが、鍵が2つあれば自由に部屋に戻っていられます。
相手のことを気にして慌てなくていい、鍵を2つ貸してくれる旅館の思いやりです。
温泉は2箇所2つの源泉・薬湯と洞窟の湯
ここには2つの温泉がありそれぞれ異なる源泉となっています。
それと家族風呂がありますがこちらは1日二組のみとのこと。家族風呂は妊婦の方や身体の悪い方を優先しているそうです。
また一部の部屋は露天風呂付きになっていますが、そうそう露天風呂付き客室なんて泊まれません。
今回は2つお温泉のみです。
薬湯
薬湯は男女別の内湯になっています。
ph7の中性の温泉です。
こちらが入り口。入り口の前はホールになっていて待ち合わせにも使えます。
割りと広い空間です。ただ冬場は少し寒いかも。
脱衣所はそれほど広くなく5人くらいで使うのが限界かな。
湯船のそれほど広くはなく5人くらい向けかな~という大きさ。
洗い場は3人まで。
でお湯に浸かります。ここは源泉掛け流し。宿泊中はいつでも入れます(掃除時間除く)。
特に特徴があるお湯ではありませんが落ち着きます。湯加減もやや熱めですがいい感じ。今回は5泊6日の東北旅行の最終日で疲れもたまってきて癒される~と。
3回、入りに行きましたが多くて僕を含めて3人くらいで皆さん静かに入浴されていました。しかし2回目の時、隣の女湯からは女性同士で泊まりに来ているのか凄く大きな話し声が・・・。これはご愛嬌かな。
露天風呂付き大浴場(洞窟の湯)
もう1つの温泉である露天風呂付き大浴場へ。宿泊した部屋からは結構遠くて行くのがややつらい(^_^;)
洞窟の湯と言われているのは洞窟の中にあるからではなく、洞窟の中に源泉があるから。
こちらはph7.6で弱アルカリ性
こちらの脱衣所は割りと広く10人くらいは余裕で利用出来ます。
ウォーターサーバーがあるのが何気に嬉しいです。
最初に内湯へ。広さは6人くらいなら余裕で入れる広さ。洗い場は4席だったかな。
続いて併設されている露天風呂へ。
露天風呂は4人くらいまで入れるくらいの広さ。
内湯からはこの源泉を引いている洞窟が見えました。
こちらのお湯は「薬湯」に比べ温度が高くなっていました。
またph7.6となっているおり湯質は薬湯と少し異なりややピリピリする感じが。こちらは薬湯よりは肌がつるつるになるとのこと。確かにそんな感じのするお湯です。
湯主 一條の食事と食事会場
一條さんの食事は部屋食のプランもあるようなのですが、基本は本館でいただきます。
食事時間になると電話がかかってきて迎えにいくと連絡があります。それから1分くらいで迎えの方が来てくれて会場まで案内してくれます。
本館の中
では本館の中です。
本館とは自動ドアで区切られています。そして通路を通って本館へ。
階段のきしむ音も雰囲気を醸し出していました。
大正から昭和にかけて作られたという建物、風格があります。こういう建物は見ているだけで何かワクワクしませんか?
それぞれが3畳くらいの広さの部屋になっています。続いて翌朝撮影したもの。あまり違いはありませんが。
まだ続きます。夜に撮影したもの。
夜は障子紙を通して漏れる灯りが何となく暖かい色合いでこれまた良い雰囲気。
夕食は「森の晩餐」
ここの夕食は「森の晩餐」と名付けられています。
食後の写真ですが部屋の中はこんな感じです。
こちらは食前の状態。
火鉢がありますが当然ついていません。部屋は石油ファンヒーターで暖められています。
お品書きは下記の通り。焼き物と鍋物は選択出来るので嫌いなものがあっても大丈夫です。
まずは食前酒からいただきます。
自家製の苺酒とのこと。これは甘くてその後に続く料理へと食欲をましてくれます。
先附です。
「チーズ葛豆腐」 これは凄く好きな味
「蕗煮凝り 蟹味噌」 蕗の煮凝りなんて初めて食べましたけど蟹味噌との組み合わせがマッチして美味しくいただけました。
「鮟鱇(あんこう)友和え 防風 酢橘」
「あさつき酢味噌掛け くこの実」 あさつきの酢味噌って苦手なんですけど、これは普通に食べられました。
続いて前菜
- 山牛蒡小袖寿し
- 山独活梅肉漬け・千社唐 黒豆
- わらび烏賊
- タラの芽金ぷら あけび
と書かれています。すいません半分読めません(^_^;)
タラの芽金ぷら、これは美味しかった!
そして頼んだお酒(カクテル)が届いて嫁と乾杯!
ここはワインも充実していますし、地酒や地焼酎、ビールも当然あります。しかし嫁も僕もそれらのお酒があまり好きでは無いのでカクテルに。カクテルがあるって良いですね。
続いて、お造り
- 勘八(かんぱち)炙り 金目鯛 妻物
- カルパッチョ仕立て
- 紫蘇ドレッシング
となっています。お皿の下にあるのはバジルソース。好みでカルパッチョに仕立てるか紫蘇ドレッシングでいただくのですが2切れずつあったのでそれぞれでいただきました。
これがね、凄く美味しい!僕は山の温泉宿に海の幸は不要派なんですけど、ここまで洗練されたものなら納得してしまいます。
それと紫蘇ドレッシングと聞いて、僕は紫蘇が苦手ですがここのドレッシングはOK!あまり紫蘇臭く無いんですよ。
続いて蓋物
「鰤(ぶり)大根煮 青味(蔵王酒造粕を使用して)」となっています。
でこのブリ大根、想像を良い意味で裏切られました。ブリに大根を薄く切ったものを巻きつけているんですよ。しかも薄く切った大根が全部繋がっている!
酒粕が良いアクセントとなってこれまた非常に美味しいんですよ。ブリ独特の臭みも大根で消されているし。
次は焼物
- 仙台黒毛和牛 添え野菜
- 白皮筍姿焼き 添え野菜
- 牛ヒレステーキ 添え野菜
この3つから選択出来るようになっていました。僕は「仙台黒毛和牛 添え野菜」をチョイス
これが凄く柔らかくて美味しい!もっと食べたい。柔らかくて噛むのも別に苦になりません。
嫁は牛肉が苦手なので「白皮筍姿焼き 添え野菜」をチョイス
嫁に1つもらって食べました。これがね、美味しいんですよ。牛肉と筍なら牛肉を選ぶ人が多いかもしれませんがこれもあり!逆に普段筍なんてそんなに食べないだろうからこちらも是非食べて欲しいと思いました。
鍋物は醤油スープで
- 合鴨の鍋 添え野菜
- 吉次の鍋 添え野菜
上記2つから選べるので嫁とそれぞれ別のものを注文しました。
合鴨は上記の通り。こちらは美味しいけど正直なところ、美味しいで終わるレベルかな。もちろん美味しいんですよ。
「吉次の鍋 添え野菜」。吉次はきちじと読み、キンキンとかキンキと呼ばれる赤い魚です。東北地方では地域によってめでたい席で食べるものです。
こちらの方が美味しかったな~。このみにもよると思いますが個人的にはこちらをおすすめします。
ご飯は「小海老ご飯」か「みやぎのひとめぼれ」が選べます。もちろん両方でもOK!お代わりも出来ます。当然両方食べました(^_^;)
留め椀は「浅蜊汁 小葱」。普通に言えばアサリのお味噌汁
小海老ご飯は海老の風味が食欲をそそります。アサリの味噌汁とも凄くあって食欲が増します。手作りお新香は・・・ごめんなさい!漬物食べられません。
そしてデザート
苺ムース キウイジュレ。これがね美味しいんですよ。お代わりしたいくらいに。
夕食は全体を通して大満足!さすが「料亭」と言うだけあってそれに負けない料理を提供してくれます。建物の雰囲気も相まって更に美味しく感じれますよ。
ただやっぱりもっと地元の食材を使って欲しいかな~とは思いますね。
しかしこの兼ね合いって実は難しいと最近思い出しました。
というのも秋田に住んでいた時に秋田の温泉宿に泊まったのですが地場の料理をメインに出してくれたのですが日々食べているものが多くて、感動が無かったということがあったんですね。
地元の方が来るのなら逆に地元で普段食べない料理の方が良いのかな?と。その兼ね合いから、地元の料理とそうでない料理を出すということを気にしているのかな?と考えたり。
だからここはその中間で料理を決めているのかな?と考えました。
朝食は和食と洋食がチョイス出来る
朝食は和食と洋食を選べます。で僕は和食、嫁は洋食をチョイス
まずは和食からご紹介
- 豆もやし煮
- 仙台高級しそ巻
- 梅干し
- 笹かま
- キャラ蕗
笹かまは焼いていただきました。
玉子焼き
出来立て豆腐
鮭と塩鯖
煮しめ
宮城県産野菜サラダ
新米みやぎのひとめぼれ
地元の名物である、白石名産の温麺(うーめん)
味噌汁(仙台味噌)
自家製ヨーグルト
コーヒー又は紅茶又は日本茶を選べるのでコーヒーを選びました。
朝食も非常に美味しく満足。特に出来立て豆腐は非常に美味しかったな~。で僕はしそ巻きは食べられないけどここのは食べられる美味しさ!
嫌いなものが食べられるほど美味しいって凄いことだと思いませんか?
続いて洋食
- 100%アップルジュース
- 100%オレンジジュース
- マンゴージュース
- 牛乳
飲み物は上記4種類から選べます。
- チーズオムレツ
- ウインナー
- 厚切りベーコン
- 温野菜
コーンスープ
朝焼き上げたパン 無花果のコンフィチュール
無花果は「いちじく」です。ジャムみたいにパンに塗って食べます。
宮城県産野菜サラダは和食と同じなので写真は省略
フルーツ
自家製ヨーグルトとコーヒーは同じなので省略。嫁曰く、どれも美味しかったとのこと。
アイリッシュハープのミニコンサート・一條の森のコンサート
ここは毎月第1、第3の火曜日にアイリッシュハープのミニコンサート、毎月第2、第4の火曜日が津軽三味線のミニコンサートを開いているとのこと。
今回第3火曜日にちょうどあたってアイリッシュハーブのミニコンサートを聴かせていただきました。
少し広い部屋があってそこで開催されます。
演奏は東北で1人しかいないアイリッシュハーブの演奏者 月輪まり子さん。
アイリッシュハーブの魅力も含めて歌も歌われてゆったりとした気分で聴かせてくれます。ただ最後に一緒に歌いましょう!とみんなで歌うのですが知ってる曲で無かったので歌えなかったことはごめんなさい(^_^;)
「湯主 一條」の評判・評価・口コミ
ここ湯主 一條のじゃらんでの総合評価は4.7と高評価になっています。
6つの項目で一番手数が低いのは温泉。
そう、ここ湯質は悪くは無いし落ち着いて入れるのですが、露天風呂からの景色は特に良い訳ではなく、内湯も特に何か景色が良いとかそういうこともありません。
だからどうしても温泉の評価は低くなってしまうのかな?と。
正直なところ鎌先温泉の宿で湯質や景観で選ぶとすれば隣の「木村屋」さんの方が良いんですよね。鉄分の多いにごり湯となっていて。
でも一條さんの温泉も決して悪い訳ではなくじゃらんの評価で4.2なので良い部類に入ります。
またここは接客は非常に良いんですよ。非常に丁寧ですし帰りに駐車場までレクサスで送ってくれた時は驚きましたし(いつもレクサスという訳ではありません)。
料理も雰囲気の良い本館でいただけて更に美味しいし。
個人的な評価としては非常に高い宿ですし、おすすめ出来る温泉宿です。
国の登録有形文化財でいただく食事
2016年3月25日にプレスリリースがあり、国の登録有形文化財に登録されたとのことです!
2011年の東日本大震災にも耐えた一部4階の木造建築物。やはり日本の昔からの建造技術は凄いですよね。東日本大震災の時の湯主 一條さんがある白石市の震度は6弱ということ。
登録有形文化財に指定された建物でいただく食事は非常に評判がよくなっています。
湯主 一條の基本情報
- 住所:〒989-0231 宮城県白石市福岡蔵本字鎌先1-48
- 電話番号:0224-26-2151
- スマホなら上記電話番号タップで電話出来ます
- 交通手段:車がおすすめ(駐車場は離れていますが送迎あり)
- 価格帯:18000~75000円
- 駐車場:あり(離れています)
- マップコード:569 084 548*12
- チェックイン:15:00~
- チェックアウト:~11:00
- 公式サイト:時音の宿 湯主 一條
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