温泉ソムリエの鈴木です。
九州の温泉街で寂れた雰囲気が人気?の杖立温泉(つえだておんせん)にある「ひぜんや和風別館 大自然」に宿泊してきました。杖立温泉の湯巡りをするのならおすすめの宿でした。実際にどんな宿なのか写真を多めに泊まった感想も含めて解説していきます。
杖立温泉について
熊本県は小国町にある1800年もの歴史ある温泉街です。
弘法大師空海が詠んだとされる一句、
湯に入りて
病なおれば
すがりてし
杖立ておいて
帰る諸人
温泉の効能が素晴らしいことを詠んだ一句とされています。
共同浴場も数件あり、温泉を楽しむのには非常に良い温泉街です。ただ時代の流れとともに老朽化した宿が立ち並ぶようになり、逆にそれが良い味わいを出し、昭和の薫りが今も煙る温泉街となっています。
近くに鉄道の駅が無いため、車で行くことになります。バスもいろいろなところから出ているので鉄道+バスというアクセスも可能です。
詳しくは杖立温泉の観光協会サイトをご覧ください。
ひぜんや和風別館 大自然について
「ひぜんや和風別館 大自然」の「ひぜんや」とは杖立温泉の老舗旅館です。その別館として「大自然」という宿が作られたそうです。他にも日帰り入浴施設「吉祥の湯」も経営しており、ひぜんやグループの宿に泊まると他の宿・施設の温泉にも入ることが出来るので、杖立温泉で湯巡りを楽しもう!と思ったらおすすめです。
杖立川のすぐ横にあり部屋からは杖立川や温泉街を一望出来るようになっています。
今回泊まった6階の部屋から見た杖立温泉街の風景。
早朝に撮影したのが上記の写真です。立ち上る湯けむりが温泉街らしい雰囲気を醸し出してくれています。
日帰り入浴も出来るようになっています。
バブル期に出来た温泉宿なのか大きなお土産コーナーもありました。
その横にはコーヒーラウンジもあります。
大宴会場や結婚式場もある観光ホテルとなっています。
「ひぜんや和風別館 大自然」の部屋「特別室」に宿泊
今回宿泊した部屋は6階の特別室です。特別室と言っても一言で言えば広いだけです。
部屋に入り廊下を進むと畳敷きの廊下に変わります。
写真の右側に10畳の和室があります。左側には応接セット?が置かれた洋間がありました。
10畳の和室がメインの部屋となっています。
テレビは32型でした。
マッサージ用の器具が置いてあったり
上記の写真が洋間です。座布団が苦手な方はこちらの部屋で落ち着くことが出来ます。そしてこの部屋の奥の左側に4.5畳の和室があります。
小さい20型くらいのテレビも置いてあります。
つまりここは和室2部屋洋室1部屋となっており、2世帯でも泊まることが可能な部屋となっていました。
廊下部分には冷蔵庫となぜか蛇口
洗面所は2つ並んであって、これは揃って歯磨きとかする時には便利でした。
アメニティはどちらかと言えば昔からの温泉宿のように男性主体となっていました。
お風呂付きですが温泉ではありません。
トイレはウォシュレット付きの様式ですが、タイル張りの昔ながらのトイレという感じでドアを閉めるとやや狭い閉塞感のあるトイレとなっていました。廊下が広いからもう少し廊下を狭くしてもトイレを大きくすればよかったのにな~と思いましたが、昔のホテルだとこれくらいの広さのところが多いのでしょうがないですかね。
ただ6階の部屋なので高さもあり景色は非常に良かったです。
洋室は角部屋になっているため温泉街を綺麗に見ることも出来ます。
「ひぜんや和風別館 大自然」の温泉
大自然には男女別の大浴場が1階にあります。
大浴場の入り口です。横に待ち合わせ&休憩出来る部屋があります。
この部屋にあった案内板。杖立温泉の由来や泉質、ひぜんやグループの案内が書かれています。
宿泊者であればタオルは使い放題、ただしバスタオルは部屋から持っていくことになります。
そして入り口を入ると畳敷きの廊下
一箇所、汚れが目立っていますww 多分あと1~2年で畳は入れ替えると思いますが。
一番奥に男女別の温泉の入り口がありました。なお夜中に男女入れ替えを行うので宿泊であれば両方の温泉に入ることが出来るのは、何気に嬉しい仕様です。
泊まった日に入ったのが左側(東の湯)、翌朝入ったのが右側(西の湯)になります。
泉質はph8.6の弱アルカリ性の単純泉、かすかに硫黄臭がしていました。
東の湯
割りと広めの脱衣所に洗面台
中に入ると大きな浴槽がすぐに現れます。
20人くらいは入れそうな大きめの湯船です。上記の写真の左側奥に窓が空いているのが分かると思います。それが露天風呂への入り口です。
洗い場は上記の写真の奥にもあり10人くらいは座れるようになっています。
露天風呂は10人くらいは入れる広さ。
西の湯
翌朝入った西の湯
脱衣所はこちらの方が開放感がありました。
お風呂は浴室の中央にあり20人近くは入れる広さ。東の湯よりは少し狭いかな?
東の湯には無い隣との境のための衝立がありました。
上記写真の中央よりやや左側にあるのが露天風呂への入り口です。
露天風呂はやや小さめで5人くらいでいっぱいになりそうな広さでした。
大きな岩があり、これが良い雰囲気を出してくれています。
「ひぜんや和風別館 大自然」の食事
食事は4階ロビーの奥にあるレストランでいただきます。
窓が大きく外がよく見え、下を見ると杖立川が流れています。
夕食
この日の夕食は昔ながらの温泉宿らしい食事内容でした。
写真の右側の器にはお刺身。
マグロ・カンパチ・イカの3点盛り
鍋はしゃぶしゃぶ
ご飯は釜飯でこれは結構美味しかったです。
味噌汁ではなくお吸い物、やや化学調味料が強い感じが昔ながらの温泉宿っぽいと思いました。
タラの包み焼き
デザートはすだちのゼリーでした。
朝食
朝食も同じ会場でいただきます。
鍋に入っているのは豆乳?で温めて豆腐になり、ゴマダレでいただきました。
パンもあって自由に食べられるのが嬉しいところ。久しぶりに個包装の昔ながらのイチゴジャムでいただきました。
パンがあるということはコーヒーもあり自由に飲むことが出来ました。
杖立プリンをいただく
今回のプランは杖立プリンがついてくるプランで杖立プリンを部屋でいただきました。
しっかりとしたプリンで蜂蜜をかけていただきました。これが美味しいんですよ。
杖立は名物としてプリンを売り出しています。
いろいろな杖立プリンがあるのでプリンの食べ歩きをするのも楽しそうです。
外湯めぐりで「吉祥の湯」へ
先に書いた通り、ひぜんやの他の温泉に入ることが出来ます。全部に入るのは大変なので今回は日帰り入浴施設である吉祥の湯に行くことにしました。歩いていくと15~20分くらいかかりますが、巡回のバスが出ていて、送迎してもらえます。
吉祥の湯は大露天風呂と家族風呂から成り立っています。宿泊者は両方に入ることが出来ます。
大浴場は大人1人1500円と九州にしてはお高め。家族で入るのなら家族風呂の方が安くなります。
入り口を入ってスリッパに履き替えて階段をかなり下っていきます。
行きは良いのですが帰りはかなり、きつい・・・です。
そして受付に到着。受付で旅館でもらったチケットを見せてお風呂へ。
最初に家族風呂へ。足元にライトがあり雰囲気が良く期待が高まります。
脱衣所で脱いでいざ露天風呂へ
4人くらいが入れる露天風呂で、夫婦2人で入るのには広くて良いお湯でした。
外側は塀で囲われていましたが、外を見上げると月が見えて月見風呂を堪能することが出来たのは嬉しいところ。
そしてロビーへ戻り外を見ると足湯がありました。
この後に大浴場も入りましたが、人も多く撮影禁止で撮影許可も無理だと思ったので撮影はしていません。
九州最大級の露天風呂という触れ込みだったので大きい露天風呂かと思いましたが露天風呂がいくつか点在しており、湯船自体は大きいものではありませんでした。ただ広くて開放感のある露天風呂で家族で行くと楽しめる作りになっていると思います。
大浴場も堪能した後は帰りはきつい階段を上って待合室でバスを待つことに。
囲炉裏があって水も飲めるようになっています。
ホテルへの巡回バスの時刻表。20~30分に1本あるので特に不便ではありません。
「ひぜんや和風別館 大自然」に泊まった感想・良かった点・悪かった点
泊まった感想は、正直なところまあ、こんなところかな?と。料金は2人で3万円弱だったのですが、外湯めぐりが無ければ九州にしては少し割高な感じがします。由布院なら2人で4万円弱で離れの温泉宿に泊まれますからね。
でも外湯を楽しむということで送迎等も考えれば2人で3万円弱は妥当な価格だとも言えます。
食事は大型観光温泉ホテルの食事を絵に書いたような内容で、まあこんなものかな?と。可もなく不可も無いという内容でした。
残念なところは、部屋に入った瞬間、古い温泉ホテルにありがちな少し不快な匂いがしたこと。喫煙可の部屋だったのでタバコの匂いは致し方ないものの、タバコ以外の不快な匂いはいただけないかな?出来れば空気清浄機を置いてもう少し匂いを防ぐ工夫をしてくれればと思いました。
ただトータルでは湯巡りがいろいろと楽しめる温泉宿で泊まって良かったと思いました。
「ひぜんや和風別館 大自然」の基本情報
個人評価 30点/50点満点(あくまでも主観です)
- 温泉名:杖立温泉
- 施設名:ひぜんや和風別館 大自然
- 住所:〒869-2503 熊本県阿蘇郡小国町下城4205
- 電話:0967-48-0149
- 宿泊日:2017年8月1日から1泊
- 費用:1人14000円ほど
- 公式サイトはこちらをクリック
今回、じゃらんで予約しました。
翌日は熊本と言えば阿蘇山!ということで阿蘇パノラマラインを通って阿蘇山を見てきました。
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