全国700ヶ所ほどの温泉に入った温泉ソムリエの鈴木です。
客室が離れの宿って憧れませんか?僕は非常に憧れます。
山形県との県境にある関川村にある鷹の巣温泉 鷹の巣館の離れの宿に宿泊してきました。
初めての離れの宿、これが物凄く贅沢な空間ですっごく良かったのですがどこが良かったのか写真を多めに紹介していきます。
鷹の巣温泉 鷹の巣館「離れの宿」について
山形県に隣接する関川村には、えちごせきかわ温泉郷(荒川峡温泉郷)があり、高瀬、雲母(きら)、湯沢、鷹ノ巣という4つの温泉地があります。
もっとも山形よりにあるのが鷹の巣温泉です。
鷹の巣温泉には2つの温泉宿があり、その1つが今回紹介する鷹の巣館です。
鷹の巣温泉 鷹の巣館は9つの離れと本館からなる、「離れ」がメインの客室となっている「離れの宿」で1806年に開湯したとされています。
鷹の巣館という名前で宿が出来たのは明治24年(西暦1891年)です。
つまり宿の歴史は120年以上となっています。その創業当時から「離れの宿」という形式を取っている離れの宿の中でも歴史ある温泉となっています。
離れの宿というと大人の隠れ家的な宿を想像すると思いますが、まさに鷹の巣館は大人の隠れ家的な宿です。
その理由は次の吊橋にあります。
鷹の巣温泉 鷹の巣館・宿へのアプローチ 吊り橋
鷹の巣館へは宿の前まで宿泊客は行く事が出来ません。
宿の対岸にある駐車場に車を停めるのが一般的です。
そしてそこからは宿の方の車で送迎をしてもらうことも出来ますが、せっかくなら吊り橋を渡っていきましょう。
車1台がギリギリ通れる吊り橋です。
50人以下で渡って下さいと書かれた看板。
50人なのでそれなりにしっかりとした吊り橋ですが、ここを車で通るのは慣れていないと怖いでしょうね。
宿の方はスムーズに渡っていましたが、慣れていない人だとぶつけてしまいそうです。
こんな吊橋で日常と切り離されており、まさに大人の隠れ家的な温泉宿となっています。
橋から見た離れの客室。冬場はかなり雪深い地域です。
川上と川下、吊り橋から撮影しました。
雪の無い新緑の季節や紅葉の季節ならば綺麗な景色を見る事が出来ますが、冬場、特に曇っている時は水墨画のような風景になります。
宿から見た吊り橋です。それなりに長いのがお解りいただけると思います。
橋の突き当りには大きな看板があります。
そして宿へ
建物自体はそれほど風格のあるものはありませんが、ここはあくまでも本館なので離れに泊まるのなら関係ありません。
この本館の2階には3部屋、客室があります。
でも、鷹の巣館に泊まるのならぜひ離れに宿泊して欲しいところ
鷹の巣温泉 鷹の巣館・本館 ロビー
まずはロビーで受付を行います。
お土産売り場と兼ねていますが落ち着いた空間となっています。
天井から下がっているオブジェは女将さんの手作りだとか。
可愛らしい猫ですね。
受付を済ませた後は案内されて部屋へ向かいます。
鷹の巣温泉 鷹の巣館・離れの客室
今回泊まったのは一番手前にある離れの客室「楓の荘」
見た目は普通の平屋ですが中に入るとしっかりとした作りで驚きます。
玄関を入ると左側のトイレとお風呂、そして左側に和室が2つあります。
上記のような間取りになっています。
奥の和室、10畳もあるのでかなり広く感じます。夜はこちらに布団を敷いて寝る事になります。
枕は2種類ありました。
硬めと柔らかめ、選べるのが素敵です。
そしてもう1つの和室
奥に更に縁側があります。
ここで夕食も朝食もいただくのですが、寝室と分けられているので、チェックアウトまでゆっくりと布団の上でゴロゴロ出来るのが嬉しいですね。
部屋の縁側には鏡とドライヤーが置かれていました。
そして縁側の奥にはプライベートテラスと呼ばれるウッドデッキがあります。
さすがに冬のため寒くて長くは居られませんでしたが、寒くない季節ならここに腰掛けて本を読んだり湯上がりに飲んだりするのに最適な場所となります。
また冬季以外はハンモックもあります。
部屋には浴衣や大浴場に行くためのかばんが置かれていました。
少し残念に思ったのが部屋に置かれたお菓子。
手作りの和菓子ではなく市販のお菓子というのは高級感にある離れの宿としては些か粗末かな?と感じました。
出来れば手作りの和菓子とか出ると嬉しいのですが、そこまで望むのは贅沢かもしれませんんね。
鷹の巣温泉 鷹の巣館・部屋の内湯と露天風呂
部屋についているお風呂へ。内湯と露天風呂があります。
まずは脱衣所からドア1枚で繋がってる内湯へ
狭く見えますが、縦に長く2人なら余裕で入れる広さです。そして内湯から露天風呂へ。
あまり広く見えないかもしれませんが4人くらいは入れる広さの露天風呂です。2人なら余裕でゆったりと入れます。雪が多いのですが、雪が無い時期であればプライベートテラスと繋がっていてそのままテラスで温泉で火照った身体を冷やす事も出来ます。
雪が目の前にあったので、雪だるまを作り遊びながらゆったりとお湯を楽しみました。
なお、部屋付きの露天風呂は部屋によって木の湯船だったりとそれぞれ形や趣きが異なります。
部屋の温泉も源泉掛け流しです。
ph7.3のほぼ中性の泉質は何度入っても肌に優しいので強い温泉だと肌荒れするという人にも適した湯質と言えます。
鷹の巣温泉 鷹の巣館の大浴場・外湯めぐり気分を味わう
離れの宿だと大浴場に向かう際に外に一旦出るため、外湯めぐりの気分を味わえるのが楽しいかもしれません。
部屋を出て1分少々で大浴場です。
大浴場は男女別の内湯と露天風呂になっています。
大浴場といっても5~6人くらい用の湯船です。部屋に温泉があるので、それほど広くなくても良いのでしょう。
そして内湯から外に出て露天風呂へ。3~4人向きで部屋の露天風呂とそれほど大きさが変わりませんでした。
天然温泉の認可票?と温泉ソムリエの認定書、温泉ソムリエのいる温泉宿となっています。温泉ソムリエは新潟県発祥ですからね。
外湯を楽しんだ後は夕食です。
鷹の巣温泉 鷹の巣館・部屋でゆっくりいただく夕食
食事は当然部屋食です。
以前、知り合いが泊まった時は持ってくるまでに冷めてしまっていて美味しく無かったという事でしたが、僕たちが泊まった時はそんな事もなく温かい食事をいただけました。
これは改善しているのかな?と思います。
今回、2月に宿泊したので料理の内容が3月のひな祭りに向けたメニューとなっていました。
食前酒 苺酒
先付け八寸
- 昆布巻
- 栗麸利久和え
- 数の子
- 手細寿司
- 木の芽和え
お雛様を象った容器で非常に可愛いですよね。
椀物 鶯椀仕立て 焼きもち 口 梅肉
揚物 筍の空揚げ 蕗の薹 白髪葱
焼物 春鱒の春香焼 レモン
これは非常に美味しかったですよ。
刺身
公魚(ワカサギ)鱸(すずき) ハチメ 妻色々 山葵
ワカサギなんて読めませんよね。ここ関川村は山の中ですが、海にも遠くなくて30分もかからない距離なので海のものも普通に出ます。
強肴 村上牛の味噌煮込み クレソン 小玉葱
止肴 若布と百合根 土佐酢
食事 関川村産 有機米コシヒカリ
止め椀 越後味噌仕立て
香の物 三種盛
水菓子 小豆プリン
どれも美味しかったのですが、特に村上牛の味噌煮込みは非常に美味しかったです。
自産自消の食材が多く、遠くから旅行に来た方ならきっと満足する内容だと思います。
鷹の巣温泉 鷹の巣館は朝食も部屋食
朝食も部屋でいただきます。部屋が2つあるので布団はそのままというのが嬉しいですね。
海藻サラダ
湯豆腐が出たのですが、出し方が非常に面白いんです。
蓋を開けると中に湯豆腐が入っています。
卵焼きは美味しいのですが、少し焦げ目が多いのが残念なところです。
味噌汁の具材も海藻です。海藻の味噌汁って美味しいんですよ。
どれも美味しかったのです。見栄えが若干悪いものもありましたが
また朝食にもデザートがつきました。今回はバナナアイスでした。
鷹の巣温泉 鷹の巣館の感想・評判と口コミ
離れの宿だけあって、非常に落ち着けますし、くつろげる空間となっています。
まさに静寂を贅沢に味わえる宿です。
ただ出迎え用のお菓子や食事で一部見栄えが悪いものがある等、改善の余地はある宿だと思いました。
しかし接客も悪くありませんし、必要以上に関わって来ないのでそれは安らげる、落ち着けるポイントになっています。
また温泉が非常に優しいので何度も入れるのが肌の弱い人にも良いところです。
離れなので隣の部屋の物音も聞こえてきませんでしたし、向かいは川で道からも離れているので、本当に静かな宿でした。
今度は春か秋に行きたい温泉宿です。
しかし宿泊予約サイトの口コミを見てみると、それほど高く無いのが気になるかもしれません。
もちろん悪くない点数です。
- じゃらん 口コミ総合評価 3.7点
- 楽天トラベル 口コミ総合評価 3.75点
4に達していてもおかしくないと思うのですが、その時対応した人で接客にムラがあるようで、たまに悪い人にあたった人が比較的辛辣な評価をしているように口コミを読んで感じました。
またあくまでも温泉旅館であり、高級ホテルでは無いのですが、ホテル並のことを望んでいるような人が比較的低めの評価をしている様子です。
温泉旅館と思えばきっと満足の行くところだと思います。
鷹の巣温泉 鷹の巣館・基本情報とアクセス方法
- 施設名:鷹の巣温泉 鷹の巣館
- 住所:〒959-3222 新潟県岩船郡関川村大字鷹の巣温泉1072
- 電話番号:0254-64-1009
- お風呂:男女別内湯 男女別露天風呂 部屋に内湯と露天風呂
- 駐車場:あり(無料)
- 宿泊料:離れは1人2万円くらいから
- ph:ph7.3
- お湯の色:透明
- 泉質:ナトリウムー塩化物・硫酸塩泉
- 公式サイト:鷹の巣温泉 鷹の巣館
鷹の巣温泉 鷹の巣館へのアクセス方法・行き方
鷹の巣温泉 鷹の巣館へは車が便利です。東京や大阪方面からなら北陸自動車道を経由して日本海東北自動車道へ。荒川胎内ICで降りて国道113号線を約30分で鷹の巣温泉 鷹の巣館に到着します。
東京からだと概ね5時間くらいかかります。距離にして約400kmです。休憩を入れて6~7時間くらいは見ておいた方が良いでしょう。
公共交通機関の場合、新潟駅から「特急いなほ」で坂町駅まで、そこから米坂線に乗換え「越後下関駅」で下車、予約しておけば越後下関駅までは送迎してもらえます。
越後下関駅からは車で約10分・5kmほどの距離です。
日本秘湯を守る会の宿なので秘湯スタンプを集めている場合は「るるぶ」から予約されると押印してもらえます。
離れの宿で静寂と温泉を贅沢に楽しみたいのならおすすめの旅館です!
以上、鷹の巣温泉 鷹の巣館についてでした。
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