SEOにおけるキーワードの選定の基本はクエリの種類から考えるべきだと思う鈴木です。
年末年始にSEOに関する記事をいくつか見たのですが、世の中、いい意味でも悪い意味でも、いろいろなSEOに対する考え方があるものだな~と思いました。
僕の場合、キーワードは4種類に分けて考えているのですが、その中でビッグワードでも実は意外と上げやすい種類のものがあって、どういう考え方で上げやすいか上げにくいか、僕の妄想も交えて説明していきます。
ビッグワードなんて書いても上がらないと考えずにどうすれば上げられるか、考えることが大切であり、実際に上げられたビッグワードの事例も紹介します。
キーワードはボリュームで考えず種類で考える
キーワードの種類を下記のように分類しているところをたまに見かけます。
- ビッグワード(ビッグキーワード)
- ミドルワード(ミドルキーワード)
- スモールワード(スモールキーワード・ロングテール)
そもそも、これキーワードの種類でも何でもなく、ただの検索ボリュームでしかありません。
初心者はロングテールキーワードを狙え!と解説しているブログ論とかアフィリエイト論とかあるんですけど、ロングテールでも月に50万円以上稼げるキーワードになるとめちゃくちゃ競合が強い時もあって、全く上がらない時があります。
ロングテールの説明だと2~3語の組み合わせと説明されている時があるのですが、例えば「キャッシング 札幌 即日」と言うような人口100万人以上の都市名で「キャッシング 即日」なんてキーワードで上位表示を取るなんて至難の技です。
逆に「大通公園 カラス 種類」(検索ボリューム月間10未満・全く儲からないキーワード)くらいのキーワードなら検索結果1ページ目に出すのは非常に簡単です。
検索ボリュームよりも、キーワード自体(競合の状況も含む)で上位表示が難しいか難しくないか決まるので、検索ボリュームを基本にした解説というのは僕は間違っていることが多いと感じています。
キーワードの4種類
ではキーワードの種類はどう分類するかと言えば下記のように分類します。
*クエリはキーワードと同じ意味だとこの場合は考えてください。
- Knowクエリ(知りたい)
- Doクエリ(やってみたい)
- Goクエリ(行きたい)
- Buyクエリ(買いたい)
これについては下記の記事が参考になります。
そしてキーワードの種類に応じて検索結果上位を目指す難易度が下記の図のように変わっていくと僕は考えています。
Knowクエリであれば検索結果上位にすることが比較的行いやすく、Buyクエリになれば難しくなっていきます。
つまりブログ初心者であればBuyクエリではなく、Knowクエリを最初は攻めるべきだと僕は考えています。
なお、YMYLという言葉を聞いたことがある人も多いと思いますが、YMYLって「Buyクエリ」に影響を与えているんですよ。
Buyクエリはそのまま購買活動に影響を与えることが大きいキーワードなので、そのままYMYLの影響が大きくなります。
もちろんKnowクエリでもYMYLの影響を受けているキーワードも沢山ありますが、影響の範囲はBuyクエリよりは断然緩やかです。
4つのクエリに対する検索結果は大きく2つに分類出来る
この4つのキーワード・クエリに対する検索結果は大きく2つに分類出来ると考えています。
- ウォンツコンテンツ
- ニーズコンテンツ
に分類して考えています。
正確には検索結果においてのコンテンツの種類を意味しています。
- 必要な情報に答えたもの=ニーズコンテンツ
- 必要な情報に視点を変えて欲しい情報に答えたもの=ウォンツコンテンツ
つまりニーズに答える検索結果(コンテンツ)とウォンツに答える検索結果(コンテンツ)があるということです。
こう説明した時に「潜在的」か「顕在的」かと考えることが多いと思います。
非常に近いのですが、僕の考え方では少しだけ異なります。
ニーズコンテンツの方がCV(コンバージョン)に近いからそっちをペルソナにした方が良いとか、そういう話でもありません(こっそりアフィリエイトのヒント)。
そして割と、Knowクエリの検索結果を中心に検索結果がニーズコンテンツばかりに偏ってしまっていることが多く、ウォンツを求める検索結果が出ないことがあります。
だからニーズコンテンツばかりの時はウォンツコンテンツで攻めることで上位表示が可能になってきます。
具体的な事例で見ていきます。
基本的にKnowクエリの攻め方ですが、Buyクエリにも応用は可能です。
駅名で見えてくるニーズコンテンツとウォンツコンテンツの偏り
いろいろなキーワードで検索していると、たまにビッグワードでも、ニーズコンテンツに偏りすぎていることがあります。
例えば「東京駅」で検索すると下記のような検索結果になっています(2020年1月3日現在)。
- 1位:TOKYO INFO(法人運営の東京駅の情報サイト)
- 2位:1位のサイトのショップ・レストラン情報の案内ページ
- 3位:1位のサイトの東京駅の構内図と周辺地図のページ
- 4位:JR東日本 駅構内図
- 5位:Wikipedia 東京駅
- 6位:TOKYO STATION CITY(構内図と周辺地図のページ)
- 7位:6位のサイトのトップページ
- 8位:東京駅一番街(東京駅地下街の公式サイト)
- 9位:JRおでかけネット((構内図と周辺地図のページ)
*PC検索時、東京駅の検索結果は2020年1月3日現在9位までしかありませんでした。
実際に検索結果を見てみると、東京駅構内図のコンテンツが上位9位の中、4つで占められており、「東京駅」と検索する人は構内図を求めていることがわかります。
だから検索意図を満たすためには「構内図」の情報が必要になってきます。
ということを言いたいのではなく、全部ニーズに対する答えばかりになっていることを言いたいんです。
つまり必要だから検索する人に対しての回答ばかりになっているんですね。
で、もし東京駅というキーワードで上位を取りたい時に「東京駅」というキーワードで上位を取るためのコンテンツを作る時に個人が同じニーズコンテンツで勝負をしても勝てないんです。
もう、それらのコンテンツは供給過多になっていますし、法人サイトが強くなっていますから。
じゃあ、どうすれば良いのか?と言えばこの場合はウォンツコンテンツで勝負をすべきなんです。
札幌駅の検索結果
人口196万人(日本第4位の人口の市)の札幌市の中心となるターミナル駅が「札幌駅」です。
*札幌駅は月間検索ボリューム5万くらいです。
「札幌駅」で検索すると下記のような結果になっています(2020年1月3日現在)。
- 1位:JRタワー フロアマップ
- 2位:Wikipedia 札幌駅
- 3位:たびらい(札幌駅の楽しみ方)
- 4位:個人ブログ(札幌駅で迷うことの回答集)
- 5位:まっぷる(札幌駅のショッピング案内)
- 6位:JR北海道(駅構内図)
- 7位:KIOSK(駅構内図)
- 8位:LINEトラベル(観光案内)
- 9位:悠悠北海道(ショッピングガイド)
*PC検索時、東京駅の検索結果は2020年1月3日現在9位までしかありませんでした。
この検索結果をニーズコンテンツかウォンツコンテンツか、見ていきます。
- 1位:ニーズコンテンツ(法人サイト)
- 2位:ニーズコンテンツ(法人サイト)
- 3位:ニーズとウォンツの複合の結果(法人サイト)
- 4位:ウォンツコンテンツ(個人ブログ)
- 5位:ニーズコンテンツ(法人サイト)
- 6位:ニーズコンテンツ(法人サイト)
- 7位:ニーズコンテンツ(法人サイト)
- 8位:ニーズコンテンツ(法人サイト)
- 9位:ニーズコンテンツ(法人サイト)
個人ブログが1ページ目に入っているのですが、ニーズコンテンツに対する結果ではなく、ウォンツコンテンツに対する結果のコンテンツを作っています。
この検索結果を見た時、正直「うまい!」と思ったんです。
ニーズコンテンツの結果ばかりの中で勝負するのであればウォンツコンテンツの結果で勝負しないと勝てないということを知っていたのか知らずに書いたのかわかりませんが。
大通駅の検索結果
大通駅は札幌市で2番目に利用者が多い駅です(JR・地下鉄含めて)。
*大通駅は月間検索ボリューム5000前後です。
大通駅の検索結果を見てみると(2020年1月3日現在)
- 1位:Wikipedia 大通駅
- 2位:個人サイト(構内図と改札口の説明)
- 3位:札幌市交通局(駅構内図)
- 4位:駅探(時刻表)
- 5位:らくらくおでかけネット(駅構内図)
- 6位:マピオン(地図)
- 7位:大通公園(公式サイト・アクセス情報)
- 8位:ジョルダン(時刻表)
- 9位:ユキサキNAVI(東建)
*PC検索時、東京駅の検索結果は2020年1月3日現在9位までしかありませんでした。
この検索結果をニーズコンテンツかウォンツコンテンツか、見ていきます。
- 1位:ニーズコンテンツ(法人サイト)
- 2位:ニーズとウォンツの複合の結果(個人サイト)
- 3位:ニーズコンテンツ(法人サイト)
- 4位:ニーズコンテンツ(法人サイト)
- 5位:ニーズコンテンツ(法人サイト)
- 6位:ニーズコンテンツ(法人サイト)
- 7位:ニーズコンテンツ(法人サイト)
- 8位:ニーズコンテンツ(法人サイト)
- 9位:ニーズコンテンツ(法人サイト)
このキーワードでも個人サイトが1つ入っていますが、その個人サイトはニーズコンテンツではなくニーズコンテンツとウォンツコンテンツの複合コンテンツとなっています。
なお、この2位は僕のサイトですww
混浴で見えた戦略
元々、このことに気付き始めたのは2014年の頃なんですが、最近ようやく考え方がまとまってきたんです。
2014年の時に「混浴」というキーワードで1位が取りたくて(当時1位だったサイトが嫌いだったからという単純な理由で)、じゃあどうすれば勝てるのか?と必死になって考えたことが元になっています。
*混浴は月間検索ボリューム4万くらいのキーワードです。
その当時1位だったサイトはもう検索結果の2ページ目から3ページ目くらいまで落ちていますが僕の作った記事は一時期は2~3ページ目まで落ちていましたが、再び2~4位くらいまで復活してきました(もちろんリライトして現在のニーズ・ウォンツに答えるようにしていますが、基本は変わっていません)。
で、実際に混浴と検索した時の結果が下記になっています(2020年1月3日現在)。
- 1位:ニフティ温泉(まとめページ)
- 2位:ニフティ温泉(地域で反映されてしまっている)
- 3位:個人ブログ(このブログ)
- 4位:楽天トラベル(まとめページ)
- 5位:Wikipeia 混浴
- 6位:秘湯宿.com(個人ブログ・まとめページ)
- 7位:産経ニュース(ニュース記事)
- 8位:BIGLOBE温泉(まとめページ)
- 9位:マイナビトラベル(まとめページ)
*PC検索時、東京駅の検索結果は2020年1月3日現在9位までしかありませんでした。
この検索結果をニーズコンテンツによる結果かウォンツクエリによる結果か見ていきます。
- 1位:ニーズコンテンツ(法人サイト・まとめページ)
- 2位:ニーズコンテンツ(法人サイト・まとめページ)
- 3位:ウォンツコンテンツ(個人ブログ)
- 4位:ニーズコンテンツ(法人サイト・まとめページ)
- 5位:ニーズコンテンツ(法人サイト)
- 6位:ニーズコンテンツ(個人ブログ・まとめページ)
- 7位:ニーズコンテンツ(法人サイト・まとめページ)
- 8位:ニーズコンテンツ(法人サイト・まとめページ)
- 9位:ニーズコンテンツ(法人サイト・まとめページ)
2014年当時も似たような結果だったので、この時に上位にいるサイトに勝つためにはどうすれば良いのか?と必死で考えました。
その時だした結論が「まとめページや混浴温泉の紹介、女性が半裸を披露しているちょっとHなサイトばかりに勝つためには、ずばり混浴について本当に見えるのかどうか、結論を書くしかない!」というものでした。
結果、当時1位を獲得出来ました。
それから順位が落ちたりして一部まとめページを入れたりして順位はキープしてきています。
と、ここまで書いて収益化が難しいKnowクエリばかり!と思うかもしれません。
でも月間で1万PVは狙えるキーワードばかりで、AdSenseで収益化を目指していたら2000~4000円くらいは収益化を狙えるものです。
では次に収益化を狙えるキーワードの事例で紹介します。
不動産系のクエリ
「人口100万人以上の都市名 賃貸 おすすめ」は不動産会社が必死になって狙っているキーワードです。
- 仙台 賃貸 おすすめ
- 名古屋 賃貸 おすすめ
- 福岡 賃貸 おすすめ
上記のようなキーワードですね。
3語はロングテールだから狙い目!と言う人もいますが、不動産系のキーワードにおいて地域名は必ず組み込まれるので、実際には2語と考えるべきで、しかも収益化しやすいキーワードなので、競争が激しい種類になります。
「札幌 賃貸 おすすめ」で検索した時の結果は下記のようになっています(2020年1月5日現在)。
- 1位:SUUMO(物件案内)
- 2位:アットホーム(物件案内)
- 3位:個人サイト(不動産会社紹介)
- 4位:CHINTAI(物件案内)
- 5位:ホームズ(物件案内)
- 6位:ホームズ(物件案内)
- 7位:法人サイト(不動産会社案内)
- 8位:NAVERまとめ(物件選びのポイント)
- 9位:ビッグ けさくん(物件案内)
- 10:いい部屋ネット(物件案内)
この検索結果をニーズコンテンツによる結果かウォンツクエリによる結果か見ていきます。
- 1位:ニーズコンテンツ(法人サイト)
- 2位:ニーズコンテンツ(法人サイト)
- 3位:ウォンツコンテンツ(個人サイト)
- 4位:ニーズコンテンツ(法人サイト)
- 5位:ニーズコンテンツ(法人サイト)
- 6位:ニーズコンテンツ(法人サイト)
- 7位:ウォンツコンテンツ(法人サイト)
- 8位:ウォンツコンテンツ(法人サイト)
- 9位:ニーズコンテンツ(法人サイト)
- 10位:ニーズコンテンツ(法人サイト)
なお3位のサイトは僕のサイトですww
ニーズコンテンツばかりなら、ウォンツコンテンツで勝負しよう!
- 競合が強いから勝てない
- ビッグワードだから勝てない
- 法人サイトばかりだから勝てない
と考えるのではなく、検索結果を見てニーズコンテンツばかりなら、ウォンツコンテンツを作ることで上位表示を狙えることがあります。
すぐに諦めるのではなく、本当に検索する人が求めているものは何か?別の角度で表現出来ないか?と考えることでビッグワードでも上位を狙える場合があります。
4種類のキーワードに分類した上で、Knowクエリであれば更にニーズコンテンツばかりの検索結果なら、ウォンツコンテンツで勝負出来ることは多々あります。
検索結果のコンテンツの種類を見極めて、
- ニーズばかりならウォンツコンテンツを
- ウォンツコンテンツならニーズコンテンツを
これで1度勝負してみてください。
ウォンツコンテンツでの収益化方法
紹介してきた事例で最後を除き、アフィリエイトにおいては収益化しにくいキーワードになっています。
AdSense用のサイトであれば良いのですが、出来ればアフィリエイトも兼ねて収益化を狙いたいという人もいるでしょう。
ではその場合、どうすれば良いのか?
一番簡単なのは、再検索される収益化狙えそうなキーワードでコンテンツを作っておいて内部リンクで流す方法です。
例えば「札幌駅」で検索した時、上位に表示されるこの結果
これを一回クリックしてブラウザバックをすると下記のように表示されます。
「他の人はこちらも検索」ということでこの後によく検索されるキーワードを教えてくれています。
この中で収益化出来そうなキーワードは無いか探してみましょう。
今回の事例だと難しいのですが「札幌駅地下街 食事」というキーワードがあることから、地下街を含めて札幌駅でおすすめの食事スポットとしてレストラン案内の記事を書いておいて、記事の中にレストラン予約のアフィリエイト案件を組み込むということが考えられます。
検索結果に戻らせるのではなく、自分の記事内で次に検索されるであろうキーワードの記事へ流す、これがポイントです。
もしくは再び検索させて上位表示している自分の記事へと導くという方法もあります。これは少し難しいですが狙ってみて成功すると嬉しいものです。
大通駅で検索して1位のWikipediaをクリックしてブラウザバックで見ると「他の人はこちらも検索」で「大通駅 待ち合わせ場所」というキーワードがあります。
で、この「大通駅 待ち合わせ場所」をクリックして「大通駅 待ち合わせ場所」の検索結果を見てみると、1位は僕のサイトです。
このように先回りして「他の人はこちらも検索」の記事を書いておくことでPVが増え、AdSenseでの収益化がより行いやすくなります。
自分で検索結果からたどり着いたと思わせることも大切です。
誘導したと思わせないように。
参考までに「札幌駅」の検索結果で上位に入っている個人ブログは次に検索される「札幌駅地下街 食事」でも1ページ目に入っています。
ビッグワードを狙おう!
もちろんすぐにビッグワードで上位表示が可能な訳ではありません。
でも個人でも狙ってビッグワードで上位が取れる事例は今回紹介した通りです。
2018年に発売され話題になった本「Google AdSense マネタイズの教科書[完全版] 」
この本の51ページ目を見てください。
実際のところ、ロングテールキーワードは狙うものではなく、自然にGoogleに拾われるものです。
これを見た時、頭がもげるくらい頷いたんですよ。
全くもってその通りだと。
アフィリエイト用の記事は僕もロングテールを狙って記事を書くことはよくあります、というかアフィリエイト用の記事はほぼロングテールを狙う記事しか書きません。
理由はロングテールのキーワードの方がアフィリエイトにおいては収益化しやすいからです。
でも、ビッグワードで集客して、内部リンクでアフィリエイト用の収益化記事に遷移させる方法もあるというのは既に紹介した通りです。
そしてこの本の51ページから54ページは特に読んで欲しいところなので、ぜひもう1度読み込んでください。
以上、意外と狙えるビッグワードで上位を狙うための考え方でした。
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