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天然温泉とは?天然温泉の問題点と良い温泉の定義

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温泉に関すること

天然温泉というキーワードだけで温泉は選びたくないと考える、温泉ソムリエの鈴木です。

先日、Twitterを見ていたらある温泉は○○で○○で更に天然温泉でおすすめ!というTweetが流れてきたのですが、いやいや天然温泉でおすすめってどういう理屈だよって思うくらいには心が荒んでいます。

というよりも天然温泉って、温泉関係施設が最近だと苦し紛れにつけていることもあって、全くもって信用出来ない言葉です。

え?天然温泉なら良いんじゃないの?と思う人もいるかもしれないので、天然温泉という言葉がどれだけいい加減なものか説明します。

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天然温泉とは何か?

温泉の定義(天然温泉の定義)は温泉法(昭和23年施行)で定められていて下記のように記されています。

第二条 この法律で「温泉」とは、地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)で、別表に掲げる温度又は物質を有するものをいう。

温泉法 第二条 別表

電子政府の総合窓口 e-Govより

つまり温泉(天然温泉)と名乗るのは上記のことを満たしていれば温泉(天然温泉)と言って良かったのですが、それだと曖昧過ぎるということで、天然温泉という言葉の定義は日本温泉協会で決められました。

天然温泉表示制度という制度があり1976年にスタートしており、2005年に新制度がスタートして天然温泉を名乗る場合、以下の6項目が表示されていることが必要になっています。

  • 源泉:厳選の所在地や湧出の形態や湧出量
  • 泉質:温泉方で定めるところの泉質
  • 引湯方法と距離:源泉から湯船(施設)までの引湯方法や距離
  • 給湯・拝湯の方式:源泉かけ流しか循環ろ過か
  • 加水:加水をしているか、加水している場合の理由
  • 新湯注入率:1時間あたりの新しい温泉の注入量

この6項目を5段階で採点してオール5が良いとされていますが、必ずしもこれだけで良い温泉かどうかなんて決められません。

で、良い温泉って何?と思う人も多いかと思いますが、良い温泉かどうかの定義は人によって異なりますが僕が考える良い温泉の定義は

自分が入って良い温泉だと思えばそれが良い温泉

これだけで良いと思います。

天然温泉の問題点

ここまでで、天然温泉の何が問題かと言えば、温泉法の温泉の定義を満たしていて、更に天音温泉の表示義務を満たしていれば「天然温泉」と宣伝しても良いことです。

まだピンと来ない人がいるかもしれないので、極端な事例で説明します。

タンクローリー車で300リットルの温泉を運んできて、2000リットルでそこそこ満たされる湯船に入れて足りない分の1700リットルを水で補っていても、天然温泉と名乗れます。

もっと極端に言えば2000リットルの水に1リットルの温泉を入れても天然温泉です。

また循環ろ過でお湯を回していて、消毒剤をザブザブ入れても天然温泉です。

つまり天然温泉を入れていてば、天然温泉って言えてしまうことです。

もちろん上記のようなことをしている温泉施設は無いと信じたいですが、どう考えてもこれは温泉とは思えない湯質の日帰り温泉施設は存在します。

そもそも温泉法で定める温泉の定義から言えば湧出した時点で25度以上あれば成分的には真水でも温泉を名乗れますし、ただ25度以上で湧出している真水をタンクローリーで運んで湯船に入れれば天然温泉です。

そもそも掘削技術が向上した現在では1000メートル以上掘って水が出てきたら、ほぼ温泉なんです。1000メートル以下の地底ならそれだけで水の温度は25度以上になることが多いのですから。

加水やタンクローリーが悪では無い

ここで勘違いして欲しくないのは加水やタンクローリー車による温泉の輸送、循環ろ過が必ずしも悪では無いということです。

加水している温泉はよく無いという訳ではありません。

玉川温泉

例えば僕が好きだった玉川温泉 湯治館そよ風(2016年閉館)は、温泉の酸性が強すぎる(ph1.2)のため、はじめて入る人には加水率が高い湯船から入るように案内が出ていました。

むしろ肌が敏感な人は源泉100%の湯船よりも加水された湯船に入る方がリラックス出来るし効果も感じられると思います。

循環ろ過にしても、少ない源泉で加水して清潔さを保つためには致し方ない場合もあります。

源泉100%、かけ流しが絶対に良いという訳ではなく、人によって適している温泉は異なるのだから、自分にあった温泉を楽しむことの方が大切です。

天然温泉というバイアスにはかからないように

で、何が言いたいのかと言えば

天然温泉だから良い!というバイアスを通して欲しくないということだけです。

天然温泉だから良い!という間違った知識を持つのではなく、あくまでも温泉は入って良い温泉だと思えばそれが良い温泉だと思うだけで良いということです。

だから温泉を勧める時に「天然温泉だから良い」という言葉は使わないようにして欲しいと常々思っています。

天然温泉だから良い、という風潮になってしまうと悪徳な入浴施設に加担することにもなりかねませんから。

もちろん温泉の成分により効能は異なります。

でも効能とかそういうのは考えずに自分の身体が喜んでいるか、雰囲気は良いか、景観は良いか、のんびり出来るか等、自分にとってよければそれだけで良いのではないでしょうか?

以上、天然温泉についてでした。

温泉に関すること
このブログを書いてる人

通称:鈴木こあら

散歩と旅行・温泉とカメラ、そしてブログ書きが好きで、奥さんが大好きなおっさん。
すべての都道府県で最低1箇所は温泉に入り、合計700箇所ほどの温泉に入った温泉ソムリエです。
出身は愛知県ですが、現在は北海道札幌から神奈川県鎌倉市に移住して生息しています。

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鈴木です。~鈴木利典 公式ブログ~

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